Sadowsky初の日本人公式シグネイチャーアーティスト・川崎哲平 / シグネイチャーモデル製作過程と、その拘り。

2016年11月10日

菊地嘉幸
 
チーフルシエ・菊地嘉幸に聞く。
 
― 今回のテーマはどのようなものでしょうか?
 
菊地:2015年に製作した川崎哲平仕様モデルを、レギュラーモデルとして受注可能にすることです。前回はレギュラースペックに無い仕様を盛り込んだ為、限定での生産となってしまいましたが、今回からは正式なモデルとして採用されるので、欲しいと言って頂いた際にどのタイミングで頼まれても安定した状態で納められなければなりませんので、 技術の高さは基本として、安定度との両立がとても大事です。
 
― 哲平さんからの要望はどんなものがありましたか?
 
菊地:哲平さんが拘る部分としてネックグリップがまず上がりました。そこで、哲平さん所有の60sヴィンテージJBからプロファイルするというところから入り、ナットの幅や厚みなども採寸し、60sヴィンテージJBを元としつつもグリップや指板Rなど、サドウスキーらしいプレイヤビリティや安定性を取り入れた本機独自の仕様となっています。
 
― 難しかった点、拘った点はありますか?
 
菊地:守らなければならない点として、クオリティは下げずに通常受注に耐えうるスペックにする必要があります。可能な面はルーターなどの機械を使用して仕上がりの安定度を強化し、個体差を出さないように心がけています。(シグネイチャーモデル開発の最終段階となる)ボディ材の選定にあたり、軽量でありつつも、締まったサウンドを狙いマテリアルを3種類セレクトしました。軽くすると無くなりがちなハイミッド=サウンドのコシを確保出来るようにバランスを見て、今回はアユース、バスウッド、ライトアッシュから川崎さん本人に採用するマテリアルを選んで頂く予定です。さらに、従来のアクティブ回路などを採用しながら、ヴィンテージJBに並ぶ計量化を図りました。普段からボディだけならF社より軽いんですけど。今回は、アーティストの拘りを組み込みつつも、生産クオリティの均一化、コスト、サウンドやプレイヤビリティの個体差を無くすなど、Sadowskyらしい安定性の向上を狙いました。
 
― 菊地さんから提案した点などはありますか?
 
菊地:前述したボディ材を幾つか試してみましょうか、というお話はさせて頂きました。
 
― 前回のイケベコラボモデルとの相違点はどこでしょうか?
 
菊地:塗装を前回のラッカーからポリウレタンへ変更したことで、従来のポリエステルの塗料の重量から大幅に軽量化=薄くすることが可能になりました。これによってラッカーに近い質感を得つつも、塗膜の安定性は確保されています。さらにフレットをジェスカ製へ変更、アクティブEQコントロールを裏パネル表面からアクセス可能なトリマー式に変更しています。ボディ材の変更は、前回のローストアルダーは在庫数や価格からも安定した供給が困難な為です。
 
― 日本人初のシグネイチャーモデルに関しての感想はありますか?
 
菊地:アーティストの意向を取り入れた実用的なモデルが作れたことがよかったと思います。 Will LeeモデルのようにSadowskyの定番となるうる仕様ができたと思います。
 
川崎哲平&菊地嘉幸
 
菊地嘉幸(きくちよしゆき)
 
Sadowsky Guitars TYOチーフルシエ。1990年、27歳でATELIER Z を立ち上げる。1993年に同ブランドを後任に託し単身渡米。Sadowsky Guitars NYCの工房で技術を学ぶ。帰国後、Sadowsky Tokyo(現 Sadowsky Guitars TYO)をスタート。Roger Sadowskyとの密接な関係を保ちながら、JTシリーズ、Metrolineシリーズなどを世に送り出し、今日に至る。

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