極上品の故郷、PRSファクトリー。

2013年11月11日

2013年秋、 毎年恒例の大イベント「Experience PRS 2013」に参加するため、イケベスタッフが米国メリーランド州のPRSファクトリーを訪問いたしました。(PRSファクトリーと言えばおなじみこの看板。これは旧ファクトリーと言われる側にしかなくて、外壁周りにはここ以外に看板は無いのです。駐車場をぐるっと回り込んで発見しました。)

成田からここワシントン国際空港まで約13時間、そして滞在先のアナポリスまで車で約2時間、本国PRSファクトリーに向かいます。カラッとしていて気温は15度くらい。気持ちいい天気です。

長大なチェサピーク・ベイ・ブリッジを渡ったケント・アイランドにあるPRSファクトリー。こちらが表側の入り口です。エクスペリエンスの期間中は世界中のディーラーとミュージシャンや一般のお客さまが多数集まりますので駐車場整理も大変です。

奥に回りこむと、アメリカの大ブランドではお馴染みのトレーラーが工場にドッキングしています。コンテナにバーンと「PRS」とか入っていないんですね…ちょっと残念(笑)。

オープニングセレモニーで今年のエクスペリエンスモデルが紹介されました。セミホロウの408モデルやフィギュアドメイプルネックのCST24スワンプアッシュモデルなど数機種がラインナップ!

PRSファクトリーの様子をご紹介します。仕入れた木材は自然乾燥の状態で、グレードに分けて保管されます。目印は横に吹かれたスプレーの色。某日本オーダーの材も発見。こちらの倉庫にて寝かされておりました。外部にさらに大きな保管庫もあるとのことですが、非常に厳選された様子が伺えます。

木材のグレードの違いを並べてみました。左手奥から、ノーマルトップ、10トップ、アーティストパッケージ。ご存知のように価格も異なりますが「さすがこの違い!」と思うか、それとも「意外と変わらない!?」と感じるか…?さらに木材の状態だけではなく、色を乗せると杢の見え方が変わって来るのもポイント。PRSの目利きは奥深いですね。

PRSの鉄板焼き?いえいえ、こちらの治具に真空状態で木材が吸着固定され、NCルーターの工程に回ります。モデル毎に細かく作り分けられています。

NCルーター加工前後の材。加工前の木材は非常に厚く、重いです。PRS特有のグラマラスでプレイアビリティの良い3Dな曲線が、いかに贅沢に木材を削って生み出されるか実感させられます…。まさに彫刻のようです。

PRSネックの加工工程が分かりやすく展示されていました。

ネックセクションにて。ベースのネックには二本のグラファイトが補強のために仕込まれていました。さすが合理的ですね。

そしてこちらはNCルーターで、PRSの代名詞、指板のバードインレイを掘っています。複雑な形状を再現するために、この横のディスプレイには目まぐるしく数値が飛び交っています。

フレット打ちデスクにて。最近は大規模なギター工場では一度に全部のフレットを圧着する方式も多いので、一本一本打っていく昔ながらのスタイルをまだ採用しているのは意外でした。こんな所にもクラフトマンシップのこだわりが生きているのですね。

PRSと言えば、のバードインレイ。先ほどのNCルーターの掘りに合わせて細かいパーツを埋め込んで行きます。そして、この指板材はひょっとして…?

こちらはヘッドの突き板。何種類かの木材が使用されますが、こちらは…。そうです。貴重なブラジリアン・ローズウッド!ただし「DOMESTIC ONLY BRW」と言うことで、アメリカ国外へ輸出する事が出来ません…。貴重な材ゆえの措置ですが残念ですね…。

ネックシェイプのテンプレートです。この形状に合わせて、ネック形状が手作業で微調整されます。

PRSのネックシェイプは、実際に握るとタイプによってかなり印象が違いますよね。気になってテンプレートを重ねてみたところ、本当にごくわずかな違いでした!この差を正確に出せるPRSの技術力を改めて感じました。

こちらはネックセットのブース。各モデルによってネックの刺し角は細かく設定させれています。ネックがセットされると仕上げサンディングのコーナーに回されます。仕上げサンディングはアーチトップのモデルで一本20分前後、新しいS2シリーズなどフラットなモデルは10分未満で出来るとの事ですが、早く仕上げる事よりもきちんと仕上げる事を大切にしているとの事です。さすがですね!右側の丸いものの写真は、PRSの要、誇り高きネックチームのイスです。

仕上げサンディングが終わると次は塗装です。PRSならではの美しいカラーはステインによる生地着色で生み出されます。

RSの美しいカラーを生み出す様々な色のステイン。容器に入っている状態だと濃くて黒っぽいですが、木肌に塗り、拭き取る事で美しく発色するように調合されています。

こちらの方、PRSの人気色「ブルーマテオ」を生み出したマテオさんです!ラインナップに登場すると同時に人気カラーとなり、今やPRSを代表するこの色はこの方が作りました。「ブルーマテオ」の爽やかなイメージにぴったりの、とっても気さくな良い方です!

ステインによる生地着色が終わると、専用の部屋でクリアトップコートが吹かれます。

クリアトップコートが施されバフ掛けが行われると、ガラスのように美しい艶に包まれたPRSギターの完成がいよいよ近づいて来ます。

ピックアップも敷地内で作られます。こちらは銅線を巻くワインディングマシンです。PRSは女性の従業員の方も多いようです。

塗装が終わるとピックアップなど電装系やパーツが取り付けられるファイナルアッセンブリーが行われます。そしてPRSギターは完成し、ここメリーランド州アナポリスから世界中のユーザーに届けられます。

こちらはプライベートストックのコーナー。レギュラーブースと事なり、希少材や特にハイグレードな木材がストックされています。

プライベートストックのインレイのデスク。アバロン貝を切り出した非常に細かいパーツを組み立てます。貝のアーチと指板のアーチを合わせながら作るとのこと。気の遠くなるような作業です…。

プライベートストックのメンバーフォト。いつもお世話になっている、ポール・マイルスさんの写真が筆頭に飾られています。

名実ともに大ブランドのPRSですが、ギブソンやフェンダーの巨大なファクトリーと比べると非常にアットホームで小規模精鋭で作られている印象でした。皆さまがPRSギターを手にした時に「こういう所で丁寧に作られているんだなあ」と思いを馳せていただければ幸いです。ちなみに別のフロアにはアコギやアンプ専用の製作ブースがありますが、そのご紹介はまたの機会に…。

番外編ですが、こちらはエクスペリエンス会場内で配布されている“PRSウォーター”です。しかしこの空の青さ!水が無いと生命の危機を感じるほどの暑さ…。9月のメリーランドの直射日光は凄い!しかし最終日にはバケツをひっくり返したかのような豪雨にも見舞われ…アメリカの気候は凄まじいですね…。

エクスペリエンス会場内には、各種屋台も出て賑わっています。おいしい地ビールもあります。ステージもあって最高です。

PRSがスポンサーを務めるランボルギーニのレーシングカーがエクスペリエンス会場に展示されていました。そして右の写真は、PRSギターの周りをゴルフボールが舞うPRS杯ゴルフトーナメント?のトロフィー。アナポリスはスポーツバーも多く、ホテルのTVでもスポーツ中継を流しています。さすがアメリカ、スポーツ好きな方が多いのですね。

ファクトリーの敷地内に設置されたステージにて、PRS使用ミュージシャンのライブ演奏が繰り広げられます。2日間の来場者数は約3000人とのこと!

ステージにてブルースロックギタリスト、デヴィッド・グリッソムのセミナーが行われています。マホボディのシグネチャーモデルでお馴染みですが、古くからのPRSユーザーとの事で、ステージ脇からポール氏も見守っています。

プライベートストックで新しいシグネチャーモデルが登場したマーティン・シンプソンのステージ。カントリーフレイバーが漂う中でも、マーティンともギブソンとも違う「夢見るような」優しい音色は独特のものです。しかし、繊細なバランスに成り立つこのサウンド、コンディションを、気候が違う日本で維持するのはなかなか難しいかもしれませんね。でもそれほど、PRSの故郷で聴くこのサウンドは素晴らしい!

Experience PRS ステージを支える巨大なコンソール!

PRSエクスペリエンス、ステージのトリは「SOJA」。ポール氏曰く「今、世界一有名なレゲエバンド」と大のお気に入りの若手バンド。レゲエを中心に、ロック、スカ、ダブ、ラテン音楽を大胆にミックスしたパワフルなサウンドに会場は大盛り上がり!MCで「ポールに貰ったギターを調べてみたら6000ドルもする楽器でビビった」とおっしゃってました。。

舞台袖からステージを見守るポール・リード・スミス氏。いつまでもミュージシャンの心を忘れない偉大なギターレジェンドです。


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今回の記事はイケベ楽器店facebookの現地速報レポートを再録&編集いたしました。世界中の楽器ブランドのファクトリーレポートやキーパーソンの訪問、ミュージシャンとの裏話の一部などなど、イケベ楽器店フェイスブックにてリアルタイムでご覧頂けます。臨場感たっぷりのPRSファクトリー現地レポートは、イケベ楽器店フェイスブックの9/19~22の投稿、または「アルバム」から「【米国メリーランド州PRSファクトリー訪問2013.09】」をご覧下さい。[ イケベ フェイスブック ]検索

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