みなさん、こんにちは。Jimmy SAKURAIです。
日本を離れてアメリカ、ロサンゼルスに移ってから早くも3ヶ月半が過ぎました。野球で言うならば、東京をメインに活動していたLED ZEPPELINのトリビュートバンドMR.JIMMYから、ここロスを拠点に全米でショーを行っているLED ZEPAGAINにメジャー移籍したようなものでしょうか(笑)。もっとも僕の演奏する音楽そのものは変わりません。むしろ、僕がずっと日本でやってきたジミー・ペイジ・トリビュートがあったからこそ、僕がアメリカに来ることを望まれたのだと、日々実感しています。
すでにこちらで30本近いショーをこなしましたが、それはほぼ毎週平均2本以上のライヴがあることを意味します。それだけ、アメリカのレッド・ツェッペリン人気は過去のものではなく、現在進行形なのです。日本でMR.JIMMYとして活動していたときは、多くても月に1本。移住3ヶ月ですでに3年分のライヴをやった事になりますね!今日はそんな頻度でライヴができるアメリカの音楽文化についてご紹介したいと思います。
世代問わずライブを心から楽しむアメリカの音楽文化。
基本、一般的なロスの人々の生活サイクル、平日働いて週末休みというパターンは大多数の日本人と変わりません。違うのはその週末の楽しみ方。金曜の午後、それも午後3時くらいになるとフリーウエイでは早めに仕事を終えて帰宅する人達の帰宅ラッシュが始まります。日本で勤め人が午後3時やそこらに帰るなんてちょっと想像できませんが、仕事の内容によるとはいえ、こちらでは毎週末当たり前のようにそんな光景が見られます。
そう、休前日の夜からが彼らが待ちかねた週末のスタート!家族や友人と思いきり楽しんで時間を過ごす、そのために平日働いているのさと言わんばかりです。そして、そんな週末に欠かせないのがライヴ・イベント。車に荷物を積んでキャンプに行くのも普通に見られる光景ですが、リゾート地でも夜はライヴで盛り上がります。
先日LED ZEPAGAINも風光明媚なタホ湖のカジノで演奏してきました(ジミー・ペイジとデヴィット・カヴァーデイルが出会ってCoverdale&Pageを結成したカジノだそうです)。街に残る人も、生演奏のバンドが入るクラブやバーでお酒や食事を楽しむのはもちろん、公園や海岸では野外ライヴが毎週のように開催され、数千人以上が集まります。私のバンドLED ZEPAGAINも夏は毎週数千人から1万人という規模の屋外ショーに呼んでいただいていますが、凄いのはこのようなイベントの多くは自治体がスポンサーだということです。
自治体がスポンサーとなってライブイベントを開催。
ロックバンドの活躍の場としてこういう場があるのは、日本ではちょっと想像できません。例えば、千代田区主催で日比谷公園に特設ステージを設け、区民に告知してツェッペリンのトリビュートバンドを出演させるという構図ですね。区長が開演前に協賛企業に謝辞を述べ、ステージ上から「区民の皆さん、この一夜をツェッペリンの音楽で楽しみましょう!ティーン・エイジの頃を思い出して熱狂する人も大歓迎!」などと挨拶することは、残念ながらあり得なさそうです。こちらの住人はこういう事に税金を使われても文句を言わないどころか、喜んで演奏を聴きに来てくれるわけです。
7月にサンタ・クラリータという街のセントラル・パークで行われたLED ZEPAGAINの単独ライヴには観衆12,000人が集まり、バンドの搬入時から広い公園のあちこちでシートやら折りたたみのイス、クーラーバッグなどを手に良い場所を確保して、ワインやピザをつまんでサウンド・チェックやリハーサルを楽みながら開演を待つ姿が見られました。ショーが始まると全員がツェッペリンの曲を2時間大合唱。ステージ上から見たその光景はまさにLED ZEPPELINの『The Ocean』そのもの。子どもから大人まで実によくツェッペリンの曲を知っていて、観客の年齢層の幅広さも日本では考えられません。
週末といえば日曜日の教会でもプロの演奏家並みの(実際そうだったりする)上手いミュージシャンがオリジナルの讃美歌をリードしていたり、夜のテレビを観ればトークショーには必ずハウスバンドが居て、オープニングテーマどころかジングルも生演奏。アメリカ人にとってはどんなシーンでも音楽は欠かせないもので、ライヴ演奏が当たり前!なのです。これを日本の状況に置き換えて考えてみると、その違いが良く分かると思います。
ポピュラー音楽と楽器を育てたアメリカの風土。
この文化こそが永い間、アメリカがロック、ジャズ、ブルース、ソウルなど大衆音楽を育てるフィールドであり、実力あるミュージシャン、それに応える楽器を育てる土壌であり続ける所以だと思わずにはいられません。当のツェッペリン自身も、批評家だらけのイギリスを出て、メインの活動場所はアメリカだったのですから。
今月は僕が加入して初の日本公演で帰国します。みなさん、ぜひ“ライヴ”で体験するツェッペリン・ミュージックを楽しみにいらしてくださいね。
Sep. 2014
Jimmy SAKURAI
【LIVE INFO】ジミー桜井加入後初来日!
全米No.1ツェッペリン・トリビュート
“LED ZEPAGAIN” 来日公演!
【Led Zepagain Japan Tour 2014 は終了いたしました。】
【 Jimmy SAKURAI プロフィール 】
比類なき探究心により、レッド・ツェッペリンのギタリスト「ジミー・ペイジ」を完全再現する世界的な第一人者。その完成度の高さはジミー・ペイジ本人にも認められ、2014年には渡米しアメリカの人気トリビュートバンド「LED ZEPAGAIN」に加入。日本でリーダーを務めた ZEPPELINトリビュート・バンドMR.JIMMYでは秋葉原CLUB GOODMANの草創期にレギュラー出演等、池部楽器店とはギタークリニックなどのコラボレーションも数多い。