WSRより”もっと”愛を込めて #65「フレットレス加工②」
皆さんこんにちは!
さて、今回はフレットレス加工の続きです。
接着が完了して、十分な乾燥が行われた付き板は
指板からはみ出た部分をニッパー等でカットします。
後に研磨をしていくので、多少バリが残っていても全く問題ないです。
指板面からはみ出た付き板はかんなを使って削り落としていきます。
当然、逆目を防ぐ為に裏金をしっかりと調整しておくと、
不慮のトラブルが防げます・・・。
最終的には研磨してしまうので、
かんなでギリギリまで付き板を削る必要はありません
逆に付き板ごと指板をかんなで削ってしまうことの方が問題ですね・・・。
ニッパーでカットしただけの指板サイドを目立てやすりで
滑らかにしていきます。
付き板に対しては木口を削ることになるので、
割れ・欠けに注意しながら慎重に削って行きます。
指板をすり合わせ板で研磨していきます。
この作業で指板面は仕上げになるので、
ネックのストレート・指板Rを整えながら、
ペーバーの番手を#150・#320・#600と徐々に細かくしていきます。
指板を研磨しただけの状態だと、
指板サイドがこんな感じで角ばっているので・・・
手になじむように、研磨してRを付けていきます。
こちらの方も徐々に番手を上げていくと同時に
目立てやすりで研磨した付き板の木口を完全に仕上げていきます。
こんな感じで指板の加工自体は完了です。
忘れてはならないのが、ナットの加工です。
元々、フレットが付いていた高さに合わせて溝切りがされているので、
このままでは高すぎます・・・。
よって、こんな風にギリギリまで落として、
ナットの上面もキレイに整えてあげるのが良いですね。
指板面は研磨時の木屑の除去や保湿の目的で
オイルを含ませたウエスで拭いてあげます。
ちなみに11フレット以降が拭いてあります・・・。
指板の木目の風合いとつや感が全く違うのがよく分かると思います。
WSRではフレットレス加工の物に限り、
SMITHのCLASSIC WAX POLISHを使っています。
このOILは水分が少ないペースト状になっていて、
塗布すると木目を引き立たせて、適度なつや感を出してくれます。
逆に通常のレモンオイルを使うと水分が多すぎて、
指板材と付き板の膨張率の違いによって、
せっかく研磨した指板面から微妙に付き板が
盛り上がってしまうことがあるので、注意が必要です。
最後に弦を張って調整をして完了となります。
・・・というフレットレス加工の作業工程でしたが、
いかがだったでしょうか?
では、また来月。
額田