WSRより”もっと”愛を込めて #74「フレット考察その10」

さて、今月もJim DunlopとJescarのフレット考察の続きです。

前回はクラウンのサイズについてのお話でしたが、
今回はタングとスタッドについてのお話です。

この部分の幅や大きさ、長さ(今回は割愛)はネックのコンディションに
大きな影響を与えることは違いないです・・・。

しかし、皆さんの認識としてはインチサイズ・ミリサイズという認識しか
無いと思うのですが、いかがでしょう???

実際のところは同じメーカーのフレットでもそれぞれのモデルによって
サイズはかなり異なってくるということを覚えておいて下さい。

JDとJES比較タング

前回同様に同じ色の括りはクラウンのサイズが
数値として0.1mm以下の近似値を持つもので、
ほぼサイズの大きい順にならんでいます。

「スタッド+」はタングとスタッドをあわせた幅で、
「スタッド幅」はタングのみの幅です。

今回も数字を羅列すると面白いことが分かりますね・・・。

まず、タング幅については
2つのモデルを除いて、Jescarのフレットは
0.50か0.55に統一されているのですが、
Jim Dunlopは結構バラバラです。

スタッドを含めた幅においても、Jescarの場合は
ほぼ0.81か0.91に統一されていますが、
Jim Dunlopは結構バラバラになっています。

「スタッド+」から「タング幅」を引いて2で割ったものが
実際のスタッドの大きさになります。

スタッドの形状によっても変わってきますが、
この数字が大きい方が指板に対しての食い込みがよくなります。

Jescarだとほぼ0.15から0.17で統一されていますが、
Jim Dunlopだとこちらのほうもバラバラになってきます。

面白いのは「6000」「6100」「6105」の3機種。
タング幅は同じなのにスタッドの大きさが全然違ってますね・・・。

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実際のフレット交換に関しては、タング幅・タング長
・スタッドの大きさの数値を参考にネック・指板の
材質やトラスロッドの状態を考慮しながら作業していきます。

例えば、指板に掘られたフレット溝が同じであれば、「スタッド+」の
数値の大きい物の方がネックが逆ぞり方向に動く力が大きくなります。
同じフレット・同じフレット溝でも指板の材質が柔らかいものよりも
硬いものの方が同様に動きます。

逆にフレット溝に対してタング幅・タング長・スタッドの大きさが
小さすぎる場合、フレットが抜け易くなってしまうのと、
弦を張ったときに順ぞり方向の力が働き易くなります。

これらの事を避けるために、
場合によってスタッドを潰したり、フレットの溝を広げたり・・・等々
実際にフレットを打ち込むまでの作業は慎重にならざるを得ませんし、
頭を悩ませてくれます・・・。

額田