WSRより”もっと”愛を込めて #99「フレットのすり合わせ④」

3月に入りました。
ココのところ、少し暖かくなってきましたね!!!
あと一ヶ月もすれば、さくらも咲いてやっと春です。
いかがお過ごしでしょうか???

今回はフレットのすり合わせの最終回です。
では、いってみましょう!!!

①状態を確認する

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チューニングをして、セットアップを先ず行ないます。
トラスロッドの効き幅であるとか、
ネックのクセ(ハイはね、ローはね、ローの沈み等)や
ロッドの効くポイント等、楽器の状態を
知っておく事はフレットすり合わせの効果を
確認する上でも、非常に重要です。

②すり合わせの準備

弦を外し、ネックを外し、ペグを外します。

こうやって冷静に見ると、フレットの減りがよく分かりますよね。
減っている部分でそのプレイヤーのスタイルがよく分かります。
ペグは外さなくてもよいかと思われるかもしれませんが、
一般的にボルトオンのネックはヘッド裏とネックエンドの
平面が同じ高さになっているので、
外すと作業台の上でネックが安定します。
その方が作業効率が良いですし、
セットネックやスルーネックのものでは、
その自重でネックの状態が変わってきてしまうので、必ず外します。

1弦側と6弦側の指板サイドにマスキングを貼り、
指板にマスキングを貼っていきます。
指板サイドのマスキングは最後に指板のマスキングをいっぺんに
はがす事が出来るので、効率的です。
指板のマスキングは指板に傷や汚れが
付着しないようにするためのものです。

ナットは外せる場合は外してしまった方が良いですが、
外してしまうと、復元が困難な場合はマスキング等で覆って、
すり合わせ板で破損してしまわないように
細心の注意が必要になります。

こんな感じで準備が完了です。

③ストレートを出す。

Precision Straightedgeを使って、ネックのセンターを測ります。
この際にロッドを調整して、フレットの頂点が
エッジに当たるようにストレートを出していきます。
また、1弦側、6弦側でも同様に測ります。

この作業で得られる情報は実に多く、
例えば、1弦側のみ妙に隙間があく場合はネックのねじれ・・・。
どうロッドを調整しても12フレット付近の隙間がある場合はハイはね・・・。
特定のフレットだけが常に当たる場合はフレット浮き・・・。
等々、結構ビックリするような状態を発見することもあるんですよね。

今回は全てにおいて良好な状態だったので、
このまま作業を進行します。

④すり合わせ

Fingerboard Levelerに3M Stikit Goldを貼り付けたもので
すり合わせをしていきます。今回はねっくの状態が良好なので、
指板の全長よりも少し短いものを使ってすり合わせます。
ペーパーの番手は#150を使います。
ちなみにねじれが生じてしまっているものに関しては
もっと長いものを使ってすりあわせます(理由は割愛)。

すり合せはただやみ雲にすれば良いというものではなく、
指板Rやもち手の位置、削り幅などを意識しながら擦っていきます。
写真の場合だと、もち手は13F付近で、そこから16F付近まで
一方方向に動かしていくというイメージでしょうか???
ハイフレットの方をより削っていくというイメージでしょうか???

すり合わせを開始すると、こんな感じでフレットに傷が付かない部分が
出てくるのですが、コレが押弦で減ってしまった部分です。
ここではこの傷が付かない部分がなくなるまですり合せていきます。

フレットの縦傷(1Fから22F方向の傷)と共に
凹みが無くなり、フレットの頂点が平らになっているのがよく分かります。
#150の工程をその傷を消すという目的で#320でも行い、
Fingerboard Levelerでのすり合せはここで終了です。

#320で付いた縦傷を消す目的で、
木製のベースに5mmのアクリル板を貼り付けたすり合わせ板に
#600の耐水ペーパーを貼り付けてで同様のすり合わせを行っていきます。

⑤ファイリング・整形

平らになってしまったフレットの頂点を整形して
再び頂点を作る作業です。
Offset Diamond Fret Fileの登場でかなり作業性が向上しました・・・。

分かり易いようにマジックで頂点に色をつけてみました。
こんな感じにフレットの頂点が線の様になるまで、
全てのフレットの角を丸めて仕上げていきます。

Offset Diamond Fret Fileも切削傷は残るので、
右手人差し指に耐水ペーパー#600を巻きつけて
縦方向に研磨して馴染ませていきます。

ここからが研磨の最終工程です。
今まで縦方向にしか削っていなかったのですが、
横方向(1弦から6弦方向)の研磨をしていきます。
フレットサイド及び底面付近を左右両面、全フレット研磨します。
これにより、経年で酸化してしまったフレットサイド表面や
手垢、すり合わせで付いてしまった縦傷を消すことが出来ます。

フレット頂点の縦傷をゴムパットに#600~#1200を巻きつけて横研磨します。

実際のプレイ上・・・チョーキングなどで滑らかな感覚が得られないので、
最終的にはすべて横研磨を行っています。

ゴム砥石での研磨は研磨もれ(傷の残り)が無いか確認する意味で行います。
#2000位の細かさなので、これをかけると縦傷の残りが
浮かび上がってくるというイメージでしょうか???

研磨が完了すると、こんな感じです。
平らだった頂点が復活して、綺麗な形になっていますね・・・。

研磨が終了すると、バフがけです。
ワックスでピカピカになります。

バフの後には余分なワックスをふき取って・・・。

マスキングをはがすと・・・。

完成です!!!

という感じで駆け足ですり合せの工程を書いてみましたが、
如何でしょうか???
普段、何気なく1時間ほどでやっている作業ですが、
文章にしてみると、なかなかですね・・・。

では。

額田