リプレイスメントパーツのススメ! 第1回 「ロックピン①」

みなさんはじめまして、WSR金子龍平と申します。
この度、WSRのHPのリニューアルにともないコラムを書かせていただくことになりました。
私のコラムはこんなパーツあります、このパーツこんな使い方あります
といった、ちょっとした豆知識のようなものを皆さんにご案内できればと思っております。
では早速参りましょう!

今回の第一回目のテーマはズバリ「ロックピン」!!
ロックピンと言えば大切な楽器を演奏中に落下させないための大切なツールですね。
見た目は小さいですが大きな仕事をしてくれる、言わば“小さな巨人”といっても過言ではないでしょう。
そんなロックピンですが実は様々なメーカーが趣向を凝らせて作っているんですよね。
今回はその中でもSchaller、Jim Dunlop、Marvel、Gotohに絞ってご紹介したいと思います。

そもそも何故ロックピンを使う必要があるのでしょうか?
通常のストラップピンの場合、激しく動いた際にストラップがピンから抜けて大惨事!なんてことがよくありますよね。
それを防ぐためにロックピンを使わないで
5円玉をストラップピンの先に挟んだり、ガムテープでガッチリ止めたりしている楽器をよく見かけます。
ストラップを取れなくするという意味では間違いではないのかもしれませんが
この方法ですとストラップを“外せなく”なってしまいますね。

ロックピンのいい所はストラップにつけた金具と、ボディにつけた金具がワンタッチで着脱可能なところです。
この2つの金具は、お互いがかみ合うことによりロックされるので、激しいアクションをしてもストラップと楽器が外れません。
ロックとは言ってもストラップが完全に固定されるわけではないので意外と自由に動けたりします。
ですから、激しいアクションを身上としているミュージシャンの方々だけでなく
ストラップを非常に短くしていて、ストラップをくぐって楽器を肩にかける方などにもお勧めのパーツなのです。

リペアマンの立場としてロックピンをお勧めする理由はいくつかあるのです。
私たちが修理をする際、作業効率・安全性を考えてストラップは外して作業を行うんですね。
前述の5円玉やガムテープの方法ですと、ストラップピン自体を外したり、ガムテープを切らせていただいたりすることがあります。
また、楽器をケースに入れる際にもストラップの種類によっては楽器に傷がついてしまったり、塗装にダメージを負わせてしまったり・・・。
保管や移動の時には「ストラップを外す」というのが理想だと思います。
ロックピンを使っていただけると通常のストラップピンよりもストラップの脱着が楽になると思いますので、
ストラップを外すという行為が面倒にならないかもしれませんね。

しかしこのロックピン、通常のストラップピンに比べパーツ数が多くなることから、実際ストラップが付く位置が楽器から少し離れたところになります。
当然、ストラップの位置が変われば楽器を構えた時のバランスが変わりますよね。
実際ストラップがどの程度楽器から離れるのか、ご自身で取り替える際の注意点、ビスの径や長さなども合わせてご案内していきたいと思います。

まずは言わずと知れたSchallerロックピン

Schaller1_1

【機構】
今回ご紹介する中でSchallerロックピンは唯一ロックの機構が違うのです。
次回詳しくご紹介しますがSchaller以外のものはストラップ側の金具(以下A)の外側、また内側の側面に可動式の突起があり、
その突起がボディ側の金具(以下B)の内側、または外側にある溝にはまってロックされます。Jim Dunlopに代表されるスタイルですね。
しかしこのSchallerの場合
Aの内側底面にある大きな突起がBの上面の穴にはまり固定されます。(写真2)
Jim Dunlop方式がBの金具に対してAの金具を垂直方向に差し込むのに対し、Schallerは横方向にスライドさせて着脱します。

Schaller5_1

【着脱方法】
A内側の突起はA先端のツマミを引っ張ることにより動くので、このツマミを引っ張った状態で横にスライドさせて行います。

【ストラップの取り付け方法】
Aにストラップ、①の順に通し、②のナットで締めて固定します。(写真3)
本締めはスパナを使って行いましょう
SchallerロックピンはAの金具に対しナットを締めてストラップを固定しますので、ストラップ自体の厚さが比較的自由に選べるのが特徴です。

Schaller2_1

【ポイント】
ストラップ穴の取り付け最適径は
φ10です。そのため厚手のストラップで穴が小さい場合(通常ストラップの穴はφ8で開けられていることが多いです)、
ストラップ自体の穴を拡げる加工が必要になることがあり、注意が必要です。
薄手のものでも無理やり入れることになるので、ストラップ自体がよれてしまい見栄えがよくなくなる事もありますので、できれば穴は拡げた方が良いでしょう。
当店では穴あけポンチを使って穴を拡げています。(写真4)

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また、Aにストラップをつける際は写真5の向きのようにしてください。
理由としては、もし万が一演奏中にAのツマミが引っ張られるようなことがあっても楽器を落とす確率が減るということと
ボディの重みを一手に引き受けるロックピンにとって一番安定した形でセットでるからです。

Schaller4_1

このSchaller、他のものと構造が違う分、形も大きく異なってきます。
A先端のツマミの部分が丸く大きく出ているので、
着けっ放しにしてケースに入れていると、ケースを突き破って先端部が出ていることがあります。
また、勢いよく床に置いてしまうと、ケースに入れていても
衝撃によって壊れてしまうこともあります。
ケースにしまう際や、弾かないときはストラップを外しておくとよいでしょう。

ご自身で交換する際、最も注意しなくてはいけない点は、元々ボディに開いているビス穴の径と長さです。
通常使われるストラップピンのビスとSchallerのビス径は同じですが、
長さが違うことがあります。
取り付ける前にボディの穴の深さを測るのですが、普段我々はノギスと言う専用工具を使っています。(写真6)

_1_2

もしお持ちでなければ針金のようなものを穴に差し込んで深さを計るといいでしょう。
その長さが写真7でも出ていますが2cm以上ならそのまま取り付けて大丈夫です。
しかしそれ以下の場合、キリやφ2.5のドリルで穴を深くしてあげないと、
ビスが折れたり、ネジ山が潰れたり大変なことになってしまいます。
また、Gibsonのギターの場合エンドの方のビスが太いものが使われています(最近のヒスコレは2つとも太いものが使われていますが)
そのため、一度丸棒と接着剤で穴を埋めてから開け直す必要があります。
そうしないと、せっかくつけたロックピンがビスごと抜けてしまい楽器の落下につながる恐れがあります。
これでは本末転倒ですね。お気を付けを!!

ご参考までにこのSchallerロックピン、ボディからストラップまでの距離は1.2cmでした。(写真7)

Schaller3_1_2

また写真はクロームの物を使っていますが、カラーバリエーションとして
クローム、ニッケル、ブラック、サテンクローム、サテンパール(ニッケルのサテンバージョン)、ルテリウム(ガンメタ)、ゴールド、ビンテージコッパーと8種類のカラーバリエーションがあります。

Schaller_cr Schaller_ni Schaller_bk Schaller_sc

左からクローム(¥2,625)ニッケル(¥2,625)ブラック(¥3,360)サテンクローム(¥2,625)

Schaller_sp Schaller_ru Schaller_go Schaller_vc

サテンパール(¥2,625)ルテリウム(¥3,885)ゴールド(¥3,885)ビンテージコッパー(¥3,885)

さて、次回はダンロップロックピンについてご紹介していきたいと思います!
お楽しみに!

ではまた・・・

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