WSRより”もっと”愛を込めて 第26回「ポット考察その3」

前回のコラムではポットの抵抗体には「誤差」があるという話でしたね。

実はポットが持つ「誤差」にはもう一つあるんです・・・。
過去、新品のポットに交換してヴォリュームを0にしているのに、かすかに音が漏れるという症状ががまれにありました。

本来、ヴォリューム0の時に2番端子に接続している摺動子とアースに落ちている1番端子の間の
抵抗体の抵抗値は本来0Ωである事が望ましいのですが、数Ωの抵抗が生じてしまう「残留抵抗」というのが原因です。

音漏れを全く感じない国産のポットでもざっと測ってみると・・・
0.4Ω 0.3Ω 2.1Ω 1.8Ω 2Ω・・・
と1Ω前後で誤差があるんですね・・・。しかし、次に出てくるCTSのものと比べると、はるかに高い精度で作られている事がわかります。

90年代に作られたCTSポットでは・・・
31.7Ω 190Ω 26Ω 43Ω 26Ω・・・
と理想である「0」とはかなりかけ離れた20Ω以上で160Ω近くの誤差があるんですよね。
恐らく、190Ωもの残留抵抗があると音漏れはかなり大きいと思いますね・・・ちなみに全て未使用のものですよ・・・。

前回を含めて、ここまでを読んでいるとCTSよりも国産のポットの方が圧倒的に優れているんじゃないか?と思いますが、

近年生産されているCTSポットでは、抵抗体の1番端子及び3番端子付近に金属皮膜が使われており、
手持ちのもの20個ほどを測ってみると、全て「残留抵抗」は0Ω!!!
よって、音漏れは完全になくなっているんですね。

P1220662_3 左は従来のもの。右は近年のもの。端子付近の金属皮膜に注目!

次回も「ポット考察」は続きます!!