特別対談|真船勝博(FLOWER FLOWER)×長谷川プリティ敬祐(go!go!vanillas)【IKEBEベースの日】

2020年11月11日

同じ日本のロックシーンで活躍しつつも、キャリア/ジャンル/性格も全く異なり接点の無さそうなお二人、真船勝博さん(FLOWER FLOWER)と長谷川プリティ敬祐さん(go!go!vanillas)。実は、プリティさんの怪我からの復帰時に、真船さんがレッスンをつけ支えたという師弟関係にあるのです。そんなお二人に、出会いから復帰前のレッスン、更にその後の関係まで、深く切り込んだ特別インタビューです。

司会:立﨑隆宏(グランディベース東京)/2020年10月収録
 
 
 



 
― 本日はよろしくお願いいたします!
 

真船勝博(以下、真船)長谷川プリティ敬祐(以下、プリティ):よろしくお願いします!
 

― まずはお二人の関係性を語って頂く前に、イケベとの出会い、関わりを改めてお聞きしたいと思います。
 

真船:お店自体は昔から行ってたんですけど、個人的に仲良くなったのは実はそんなに古くなくて、この3~4年くらいですかね。
 

― 真船さんは社内でも有名な常連様でしたからね。こちらは一方的に存じ上げておりました。
 

真船:確かEGO-WRAPPIN’とクラムボンが対バンした時に、ミト君にご紹介頂いたのかと。
 

― そうですね。その後仲良くさせて頂き、店頭イベントや、去年の「IKEBEベースの日ライブ」にもゲストでご出演頂いたり・・・。
 

プリティ:あぁ、ちょうど去年復帰した頃だからそのライブ行けなかったんだ。他にはどんな方が出ていたんですか?
 

― ひなっち(ストレイテナー、Nothing’s Carved In Stone)、鈴木渉さん、関谷さん(TRI4TH)、酒井太さん、サスフォー(Suspended 4th)のむう君、あとセッションゲストでブルエン(BLUE ENCOUNT)の辻村君も。
 


 

真船:あとカレー大好き、前田竜希君。
 

― バンド(OTAKU BEATS)でも出てもらったけど、カレーもフードで出してもらって。
 

真船:いやぁ今思い出しても素晴らしいですよね。
 


― なかなかカオスなイベントでしたね 笑。今年はコロナもあって開催出来なかったんで、来年以降、タイミングがあれば是非お願いします!
 

真船:是非是非!
 

― プリティ君は最初いつ出会ったんでしたっけ?
 

プリティ:最初はテックさんの紹介かな?
 

― そうだ!20年以上の古い付き合いになる贄(ニエ)君っていう友達のテックさんがいて、彼が「最近担当してるバンド」と、go!go!vanillas(以下バニラズ)を紹介してくれたんでした。昔から人気バンドたくさん担当してる人で。
 

プリティ:俺の中でプロレスラーの丸藤さんって人に似てるって話題なんですよ 笑。それが数年前くらいかな?それ以来機材関係でお世話になってますね。
 
 
 
 
 

「『思い出そう』っていうより、新しい場所から、リスタートしようっていう考えでした。(長谷川プリティ敬祐)」



 
― お二人の関係に関してお聞きしていこうかと。去年当店のSNSでチラッと紹介しましたが、知らない方も多いと思うので改めて。最初は僕が紹介したんですっけ?

真船:そうですね。
 

プリティ:僕が事故で怪我をして(2018年12月の交通事故)リハビリをしている時期に、(演奏上重要な)右手の怪我や頭も打っていたので、復帰するにはベースに対して自分一人の考えや力では足りない部分があるんじゃないか?っていうことを感じていて。今までは人にベースを習うってこと自体否定派で「人に習ってない独学がかっこいい!」みたいに思っていたんです。
 

― ああ、それはそれでわかります。
 

プリティ:でも、もうそんな時代でもないし、自分もそんな考えは無くなってきていたので、それこそ演奏タッチとかからしっかりと習って、「1から始めよう!」っていう感覚だったんです。「思い出そう」っていうより、新しい場所から、リスタートしようっていう考えでした。その中で立崎さんに「ベース習いたいんですけど、どなたか紹介して頂けますか?」って話をしたんです。
 

― 実は何人かリストアップしたんですよ。一人ずつ経歴とかプレイスタイルとかを書いて送って、その中から選んでもらおうと思って。でも実はその時点で「真船さんがいいんじゃないかな」って思ってたんです。
 

真船プリティ:おおー。
 

― ジャンル的にも合ってると思ったし、怪我からステージに復帰するってことを考えると、単純に演奏面だけを見てもらうより、精神的な面のサポートもしてもらえる方が良いと思ってたんです。なのでミュージシャンとしてはもちろん、いわゆる「アーティスト/バンドマン」としての活動もしている方が良いかなと。
 

真船:うんうん。
 

― そのリストアップした方の中で、セッションベーシストとしての活動もしながら、自分のバンドとしてアーティスト活動もしている方が真船さんだったんです。大きなステージも自分のバンドとして経験している方なので、プリティ君に一番合ってるんじゃないかな?と。ただ、迷わせちゃうと悪いんで言わなかったんですけどね。そしたら・・・。
 

プリティ:真船さんがいいです!って。最初は3人でカレー食べに行きましたよね。
 

真船:行った!なぜカレー 笑。あれは去年の夏前くらい?
 

― その前に真船さんの店内セミナーイベント(2019/6/29)見にきましたよね?その時にはレッスンの話は出てた・・・?
 

プリティ:そう、ちょうどその話をしてる時に「セミナーあるよ」って誘われて見に行きました。
 

― 事故の時のことなんですが・・・最初はニュースで知ってかなり驚いたんですが、きっとバタバタしてるだろうからって、こちらから連絡はしなかったんですよ。しばらく経ってからニエ君に連絡したら「とりあえず生きてる」って返ってきて。なんとか生きてはいるっていうニュアンス。そのやりとりから、これは今だから言えますけど、「もしかしたらもう楽器の演奏は厳しいっていう状況なのかも」と感じてて。メンバーはみんな待ってるって言ってたから、「最悪、ベースじゃなくたって、他の弾ける楽器で参加できれば」とさえ思ってて。
 

プリティ:はい・・・。
 

― だから事故後に初めて会った時、実は結構泣きそうになってたんですよ。
 

プリティ:ご心配お掛けしました。
 

― いやいや、今の状況までこれて本当に良かった。ちなみに小ネタなんですけど、その久しぶりに会った時、結構ぼーっとしてるように見えて、頭も打ったって聞いてたから「もしかして後遺症とか・・・?」って聞いたら、「あ、これは素です」って言われて。
 

一同笑
 

プリティ:それは今でも 笑
 

真船:MCで割と噛むのもその怪我の影響・・・?
 

プリティ:それも素です 笑
 

真船:それ、聞きづらかったんですよ。
 

プリティ:そういうことにしときます。怪我の影響って 笑
 

真船:自分もMC噛むほうだから共感が。
 

プリティ:ベーシストとして復帰できたのは、完全に真船さんっていう存在があったから、いてくれたからだと思ってます。
 
 
 
 
 

「プリティ君はバンドの中で一番お客さんを笑顔に出来る太陽のようなポジション。(真船勝博)」



 
真船:スタジオで初めて一緒に音を出した(レッスンした)時は、怪我の影響でフォームがバラバラになっちゃってて。でも復帰目標のツアーが3ヶ月後くらいに決まってて時間もあまり無い状況で。まずはどこをゴールにするかっていう課題からのスタートでした。
 

 
プリティ:ちょっと焦ってましたね。
 

真船:ステージに立つ=音が出せてるのが何よりも大きな目標だけど、僕は彼が元々どういうプレイをしてたかっていうのを知らなかったから、映像等でチェックして見たら、事故の前はすごく綺麗なフォームで弾いていて。「あ、今の体の状態で、以前の演奏まで持っていくのは大変だな」っていうのが第一印象でした。
 

プリティ:まだ右手にボルトが入ってて。
 

真船:だから手首がふにゃふにゃしてて、固定されて無い感じだからリズムが不安定で。音はしっかり鳴らせてるんですけど。左手も親指の位置がポジション移動についてこれなくて、変なフォームの癖が着いちゃってて。怪我の後遺症もあるから、自然と無くなれば良いかなと思いつつも、でもそれが癖として残ったらまずいなと思って。最初は、そういう手の動きをじっくり観察しながら、「さぁどうしようか」から始めました。
 

― スポーツ選手でもあるそうですが、怪我の部分をかばった動きをしてしまって変な癖がついてしまうことがあると。そこから癖を抜くのはすごく大変だろうから、最初にフォームを矯正というか、しっかり客観的に見てもらうっていうのは重要だったんでしょうね。
 

プリティ:指弾きだったりとか、弾き方の概念っていうのを一から教えて頂きました。弦の縦振動と横振動、ロー感とアタック感のいいところをしっかり取るっていう事を、初めて人から教えてもらって。「今まで何も考えずに弦を押し付けてたんだな」って感じました。
 

― 真船さんと一緒に復帰ツアーの東京のライブを観に行かせて頂いて。その時にニエ君から聞いたのが「もっと力を抜いて弾いた方が、この部分には良い」ってプリティ君本人に言われて驚いたと。以前は全力出してなんぼ的な部分があって。
 

プリティ:ガッとね。
 

― それを本人が「敢えて力を抜いて弾く」って言われたのが、凄い進歩に感じたと。力を抜くって感覚って結構難しいじゃないですか、一歩間違うと「手を抜く」になってしまいかねないので。
 

真船:そうですよね。
 

― スタッフさん達が皆さん「前より上手くなった!」って言ってて。
 

一同笑
 

真船:怪我の功名 笑
 

プリティ:ただ「復帰できた、プリティお帰り。良かったね、戻ってこれたね」で終わっちゃうのが一番嫌だ、ダメな未来だなと思っていて。だったら今の状況、こういう出来事があったからこそ、進化できたものがあるっていう風にしないと意味無いなって思ってたんです。そんな中で復帰後にPAエンジニアさんから「バニラズ史上、今が一番音良いよ」って言ってもらえて。
 

真船:それは素晴らしい。
 

プリティ:やった・・・!!って。
 

真船:プリティ君は、凄く練習熱心というか、僕が課題というか「これを練習してくるといいよ」っていうのに対して、パーフェクトにしてくるんです。努力家というか。
 

― おお!
 

真船:努力家ではあるんだけど、そこで無駄な努力をさせたら申し訳ないなっていうのには気をつけました。例えば「以前弾いてたこのフレーズが上手く弾けないんですよ」って言ってるところに対して、それをそのまま弾く必要はないんじゃないか?っていう提案をして。フレーズを改変するというか、今のコンディションに合ったフレーズを新しく作ってみようと。「ここはもうちょっと音数抜いて、縦のリズムを合わせた方がバンドとしてすっきり聴こえるし、進化して聴こえるんじゃないか」とか。弾きこなせないフレーズを無理やり詰め込むよりは、違う観点から「今弾けるフレーズに変えた方がカッコ良くない?」と提案するというか。
 

― まさにそれって一人では出来ない事ですよね。一人だとフレーズを簡略化するって「手抜いてるんじゃないか?」って思いになっちゃう事もあるだろうし。
 

プリティ:そうなんですよ!客観的な視点で見て頂いて。ギターの(柳沢)進太郎にも良い意味での簡略化っていうのは凄く褒められました。
 

真船:バンドのベーシストってオラオラっていうか「俺のベースを聴け!」ってスタイルの人が多いと思うんですが、本来ベースがいる立ち位置っていうか「今この曲の中で誰が一番目立つべきか?」っていうのを客観的に見ることかと。それを1ベーシストとして僕が提案して、「あ、なるほど」と分かってもらえたなら良かったなと思いますね。
 

プリティ:この前マネージャーと話してたんですが、本当にカッコいいベーシストって、ちゃんと大局観があってポイントガード的な思考を持っているよねと。
 

― ああ、だからベーシストってプロデューサー的な人とか、バンド内でも全体を見れるようなタイプの人が多いんでしょうね。
 

プリティ:昔の僕はヘタクソなフォワードでしたね 笑
 

真船:いやいやいや 笑。でもそれはお客さんから見たら生き様としてカッコいいんだと思いますよ。だからバンドとしては、それはそれで合ってたんだろうと。事故の前の映像を見てると、プリティ君はバンドの中で一番お客さんを笑顔に出来る太陽のようなポジションですよね。プリティ君がわーっと前に出て笑顔で弾くと、お客さんもみんなニコニコするっていう。
 

プリティ:ありがとうございます!
 

真船:それを忘れずに復帰できたらいいなと思ってました。
 

― 僕が初めてバニラズを見た3~4年前の時点で、まとまりのある「バンドの上手さ」はかなりあったんですよ。ただ、そこからランクアップしようとすると、しっかりしてる分「どう進化したら良いか分からない」となりがちだったりもすると思うんですね。その点、客観的に見れる方がいてくれたっていうのは良かったのかなと。真船さんはサポートでのセッションミュージシャンの面と、アーティストとしての面を両方持っているから、自然とバランスが取れている方だと思うので。
 

真船:アーティストのカッコ良さと、アーティストを支えるサポートとしてのベーシストのカッコ良さっていうのは、自分なりに色んな人を見ながら研究して。元々はスタジオミュージシャンに憧れがあったんですけど、その一方でEGO-WRAPPIN’っていう貴重なバンドでずっとベースを弾かせてもらっていて、バンドでのベースのカッコ良さと裏方に回るサポートのカッコ良さ、どっちもあるなっていうのは感じていました。だからプリティ君にも、バンドのカッコ良さだけではなくて、ベースらしい一歩下がったところから見る立ち位置っていうか、そういうものも感じて欲しいなと。今回レコーディングもテックとして参加させてもらったんですけど、プレイバックを聴くと「ここはこう弾かない方がいいんじゃなかな?」とかついつい口出しちゃったりして。
 

 
― ちょうどそのレコーディングのお話を聞かせて頂こうかと思ってたんです。次作のレコーディングでスタッフとして声がかかったと?
 

真船:はい、音作りとかのテックとして。
 

プリティ:音作りはもちろん、演奏も含めて、プレイヤーとして尊敬出来る方にガンガン意見を言って欲しいなと思ってお呼びしました。ボーカルの牧(達弥)も「ベーシストじゃないと気付かない観点での意見をもらえて感動した」と言っていましたね。
 

真船:元々はアップライトベースに挑戦したいって事で話が来たんです。
 

プリティ:アップライトベースは初めてだったんで、基本から教えて頂いて。ボーカルの牧がDTMで作ったデモが、アップライトの音色の打ち込みで来たんですよ。「おふっ」ってなって 笑
 

真船:「来たー!」みたいな?
 

プリティ:今までもウッドベースみたいにってリクエストはたまにあったんでけど、エフェクターを使って上手くそれっぽくしつつ、エレキベースで対応してきたんですよ。でも今回は「作曲者の意図に沿うようにやらないと意味無いな」って思ってチャレンジしようかと。エレクトリックアップライトも買って、基礎から教えて頂いて、更にテックでレコーディングにも来て頂いて・・・っていう流れですね。
 

真船:テックとしていくので、自分が持っているベースも何本か持って行ったんです。アップライトも合うけど、もしかしたらHofnerとかハコもの(ホローボディ/セミアコ系)も合うかなと思って。そしたら牧君は「お?Hofnerありますね?」と反応してて。(※Hofnerは、go!go!vanillasメンバーが敬愛するThe BeatlesのPaul McCartneyが愛用)
 

一同笑
 

真船:「Hofner試してみようよ」ってやってみたらハマって。アップライトじゃなくていいんじゃない?ってなって。
 

― あれ?結局そっち(Hofner)になったんですか?
 

プリティ:そっちで 笑。しかも、そのレコーディングに備えてかなりアップライト練習したんですよ。指も結構消耗してて。その対応方法とかも真船さんに聞いてたんですよ。
 

真船:二週間後のレコーディング本番の時に指のコンディションを保つために、マメが必ず出来るからこまめに潰して、とか。結局その甲斐が無かったと。「Hofner、しかも親指弾きかーい!?」っていう。
 

一同笑
 

真船:練習して結構弾けるようになってたんですけどね、アップライト。
 

― でも今後きっと活かせる時が出てくるんじゃないですか?この前のブルーノート公演(2020年9月26日)では使ったんですか?
 

プリティ:そのライブでもアップライト使うつもりで仕込んでたんですが、音源の音はある程度忠実に再現したいなと思って、Hofnerでやりました。レコーディングでは真船さんにお借りしたので、ライブ前に自分のを買って。
 

真船:いきなり買ったってのいうも凄いですよね。アップライトも導入したし。別の曲で「これは Rickenbackerが合うかも。自分は持ってないから、友達から借りてこようか?」って言ったら、次の日くらいに「買いました」って言って来て 笑
 

― 早い 笑
 

プリティ:めっちゃカッコよくて、音もいいんですよ。
 

― 新しい楽器を練習すると、それにこだわっちゃうっていうか「コレで行くから!」ってムキになっちゃう時もあるかと思うんですが、別の楽器の方が合うかもっていうのも、客観的な意見を言ってくれる人がいるっていうのが大きいかもしれないですね。
 

真船:そうそう。若い頃だと「いや、せっかく買ったし、練習したし!」ってなりますよね。でもいつかお披露目出来るといいね 笑
 

プリティ:いつかなー?笑。そのHofner買う時に、ちょっと一瞬悩んだんですよ。その時にパッとレジの方を見たら『With The Beatles』のジャケットがあって、「あ、目合っちゃった」ってなって 笑
 

一同笑
 

プリティ:「うわっ、めっちゃこっち見てる」って。「じゃ、買います」ってなりました 笑
 

真船:ライブで使うと、場合によってはアップライトよりウッドベース的なニュアンス出せる時もあるんですよ。フレットあるからピッチも良いし、サスティンも稼げるし。
 

プリティ:そのHofnerを使った曲も、真船さんがフレーズのアイデアも出して下さって。めちゃめちゃ勉強になりました。
 

― 少し話が戻るんですが、そのフレーズ作りも含めて、レッスンの時には先ほどのフォーム面以外ではどんなことを重点的に話したのですか?
 

真船:リズムのトレーニングが結構メインですね。手を怪我して、頭も打ったということだったので、手が固定されていない状態だったので、最初はリズムがかなり不安定で。それをどうやって正しい位置に持っていくかを考えてました。事故前は基本ツーフィンガーの指弾きがメインだったんですが、ピックが合うんじゃないかと。指だと安定したリズムを弾きたい時に、手首の動きがうまくついてこない事によってリズムが不安定になるなと感じていたので。ピックだと手首と肘の振りでリズムを取れるので、意外とイケるかもとなって、一旦矯正してみようかなと。
 

― なるほど。
 

真船:リズム感っていうのは、結局は自分の中から出てくるものを相手に伝えて、それが伝わるかどうかというものなので、指であろうがピックであろうが伝える手段は関係無しに、プリティ君の中でしっかりとしたリズム感を作って、それを楽器を通して出すっていうトレーニングをしました。裏(拍)の意識をしっかり持つと。更に裏だけじゃなくてニ拍三連っぽい、頭ではクリックが四分でなっているけど実際のフレーズは四分じゃなくて、その隙間に来るようなフレーズを延々と弾いてもらう練習とか。
 

― リズム矯正的な練習が多かったと。
 

プリティ:自分たちの曲でも、本来の70~80%くらいのスピードでちゃんと弾けるようにするっていう練習を勧められて。
 

真船:元のテンポだけで練習すると、弾けないっていうことが精神的にも追い詰めちゃったり、無理やり弾こうとしてよくない癖がついちゃったりするんですよね。なのでBPM(テンポ)もなるべく落として、「このフレーズのどの音が弾けてないのか」とか「ポジション移動時にどの音(指)が引っ掛かるのか」をチェックして。左手の親指の位置が固定されて残っちゃうから、無理してフィンガリング(運指)してフレーズがモタって聴こえちゃうんだな、とか。そういう細かいところを、一つ一つ重箱の隅を突くように指摘していきました。
 

プリティ:ありがとうございます・・・!
 

真船:でも毎回ちゃんと練習してくるんですよ。初めて会った時は握力が全然戻ってなくて、一般的な女子以下の力しかないっていう状態だったのに、一所懸命努力していて。
 

― さっき話に出た、最初に3人でカレー行った時、まだスプーンちゃんと持ててなかったもんね?正直あの状態見て「結構ヤバいかも・・・」って思ってたんですよ。もうその時点で秋には復帰したいって言ってたけど、1~2曲参加がせいぜいで、フルライブでの復帰は厳しいかもって。
 

真船:その時点ではそうだったかも。
 

― その後レッスンの状況とかまでは聞いてなくて、復帰ライブを真船さんと見に行ったら「全然弾けてるじゃん!」ってなって。あのスプーン持てない状態から数ヶ月でよくここまで・・・って。
 

真船:しかもステージングもバッチリで。
 

プリティ:プレイ面はもちろんなんですが、体のケアとかもかなり教えて下さったんです。練習後のケアもしっかりやらなきゃというのも教えて頂きましたね。
 

― レッスンって習う人によって全然やり方が違うと思うんです。今日のお話を伺うと、お二人のレッスンに関しては、レコーディングの時のフレージングのアドバイスとかはもちろんありつつも、基本はやはり体の使い方なのかなと。でも、それをただの整体師の方に言われてもいまいちピンとこないと思うんですね。
 

真船:楽器をやっている人から見ないとそれはわからないですよね。僕がやったのは、実際プリティ君のフォームを真似してみるんですよ。そうすると「体のどこに不具合が生じるか」っていうのがわかるんです。右手首がかなり折れ曲がってたり、左手の親指の位置が安定しなかったり、それを再現するとまず真っ先に小指に無理が来るなとか、手首を怪我してるのに更に負担が掛かるなとか。じゃあ手首をなるべく折り曲げずにツーフィンガーで弾いてみる・・・・、もしかしたらピックの方が手首が真っ直ぐになるからピックを優先した方が良いかも、とか。怪我の影響で痛みや違和感もあるだろうから、まず自分がそれを擬似的に体験してみるというか、体のどこに負担が掛かっているかを自分で認識してみようと。その上で「このままだとまずいぞ」と。まだ痛みはあるかもしれないけど、こういう風に弾いたらどう?っていうのを手取り足取り提案していきました。
 

― 凄いですね・・・。レッスンのやり方って、人によってはそれこそ「俺のやり方をそのまま盗め」って人もいると思うんです。もちろんそれも一つの手段だとは思いますが、真船さんの場合は、完全にその人に合わせたやり方なんですね。
 

真船:自分色に染めるっていうのは、実は結構簡単だと思うんです。でも、彼は彼の弾き方もちゃんとあったので、それを最終目標とするならば、自分も彼の弾き方をなんとなくでも一旦やってみないと。それによって「ここが良くなってきた」というのもわかるようになるかと。
 

― そこまでやってくれる人ってあんまりいないんじゃないかな・・・。
 

プリティ:いや、いないでしょう。本当に真船さんに頼んで良かったです。
 

真船:プレイが上手い人っていうのは、他の人のプレイを見てどういう動きをしているのかを熱心に研究している人が多いと思うんです。フレージングだけじゃなくて、どういう体の動きをしているのか、とか。綺麗なフォームはなぜ綺麗に見えるのか、っていう逆の発想をしていける人が上手くなれるんだと思うんです。単純に「カッコいいから真似しよう」じゃなくて「どうしてカッコよく見えるのか」を考えるというか。
 

― なるほど。分析をしっかりとする感じですね。その自分の好きなベーシストに対して研究してきたことを、プリティ君に対してもやったっていうことですよね。
 

プリティ:・・・ありがとうございますっ!!
 

真船:でも、バニラズが素晴らしいバンドなので、フレージングに関しては特に言うことは無いんですよ。バンドのベーシストらしい良いフレーズがたくさんあって、凄く耳に残るんです。僕のようなセッションミュージシャン視線だと「ここのコード進行にこういう風には弾かないな」っていうのが結構あって。素晴らしいです。
 

― バニラズはバランスが良いですよね。トラディショナルなスタイルを持ちつつも、今っぽいニュアンスもちゃんと落とし込んでいて。
 

真船:あと単純にみんな使ってる楽器のセンスが超良いですね。本当に良い楽器、しかも少し癖のある個性的な楽器をみんな使っていて。こだわりがみんな凄いですよね。
 

プリティ:こだわりは強いですね。
 

― そのこだわりはどこから来てるんですか?厳しいスタッフ(ニエ君)から?
 

一同笑
 

プリティ:元々楽器大好きってところもあるし、ギターの進太郎は「植樹したい」って言ってて・・・。
 

真船:え?植樹??
 

プリティ:「ギターを作る為の木を植えるところからやりたい」らしいです。「お前そんな観点まで行ってるのか!」と。
 

一同笑
 

真船:ハカランダとか希少ですもんね。僕の知り合いにも二人くらいいるんですよ、ハカランダ植えたって人が。庭に。
 

― えっ!?それ何十年単位の話ですよね 笑
 

プリティ:でも「逆算すると今もう植えないとヤバいです」って進太郎は言うんですよ。「10~20年くらいじゃ全然足りない」って 笑
 

真船:そういう話がみんなで出来るって、本当にバンドっぽいなって思いますよ。機材に関しても皆んなで試行錯誤しつつ、それを楽しんでいるんだろうなと。
 

― ライブでイヤモニを導入したり、ラインをちゃんと活かしたりっていう現代的な技術もしっかりと取り入れてますよね。そういうバランスが良いなっていつも見てて思います。
 

真船:本当に良いバンドです!
 
 
 
 
 

「墓場に持っていくのはジャズベ。(真船勝博)」

「弾く位置や強弱とかを意識して練習するのが凄く楽しくなりました。(長谷川プリティ敬祐)」



 
― お二人の機材に関してお聞きしたいのですが、真船さんが今日持って来て下さったのは?
 

真船:64年のFender Jazz Bass(以下ジャズベ)です。自分の基本となるベースですね。昔からジャズベの音が好きで。特にスラップの音、ジャズベのスラップの音が好きなんですよ。スラップ無しでツーフィンガーのみであれば、どちらかと言えばPrecision Bass(以下プレベ)の方が好きなので。スラップも含め、自分がやりたいことを表現しようとするとジャズベが一番理にかなっているというか。ジャズベでもプレベっぽい音は出せるし。
 


 
― 真船さんの音って、ジャズベなんだけどちょっとプレベ寄りですよね。ミドルの硬いとこ突出して出すっていうよりは、もうちょっとふくよかなところがあるというか。
 

真船:ピッキングの位置をフロントピックアップ(以下PU)の上で弾くのが好きなので、そこで弾くとプレベっぽくなるのかと。あとジャズベ弾くときでも2つのPUのヴォリュームをフルで弾くっていうことはほとんど無くて、ほんの少しだけリアPUを絞ってフロント 6:リア:4くらいの割合にしていて、それで若干プレベ感を出したりしています。そうすると、位相の関係なのか、音抜けがちょっと良くなるんですよ。
 

― へ~、そうなんですね。
 

真船:両方のヴォリュームをフルテンにすると気持ち良い音にはなるんですけど、オケに入ると若干混じりすぎるというか、それはそれで好きなんですが。ちょっと音のエッジを立てたい時にどうしたらいいかなと試行錯誤する中で「リアPUをちょっとだけカットする」っていうのを発見して。そうすると急にポッと芯が見えてくるんです。
 

― 偶然かもしれませんが、JBタイプで音のバリエーションを豊富に出している人に方法を聞くと、結構皆さん「足元(エフェクター)じゃなくて、手元のヴォリュームをいじってる」って方が多いんですよ。やっぱりそのプレベっぽい音とか。
 

真船:例えばギターであればストラトとかはPUセレクタースイッチでリフの時とソロの時ってポジション変えてると思うんです。それと同じようにベースでも、せっかくPU二個あるんだから、曲調によってバランスを変えるっていうのは全然アリかなと思ってます。同様に弾く位置とか手首の角度、立たせるのか、寝かせるのかとかによって、フレーズのアタック感も変わってきますよね。そういう面でジャズベっていうのが、音のバリエーションが多くて色々な表現をしやすいのかなと。墓場に持っていくのはジャズベってなりますよね 笑
 

― そうであるからこそ、ジャズベっていうのは多くの人に愛用されているんでしょうね。
 

真船:でもほんとはプレベが好き 笑。プレベが頭にあるから、ジャズベでもプレベっぽい音を作れるようになりたいなと、弾き方やセッティングを工夫している感じですね。
 

― プリティ君のメインもジャズベ?
 

プリティ:今日持ってきたのは以前から使っているFender Custom Shopのジャズベなんですけど、最近は66年製ヴィンテージのプレベを使ってます。
 


 
― 今ヴィンテージ高くなってますよねー。
 

真船:「欲しい!」っていうベースがあった時に買わないと、更に値上がりしちゃって「なんであの時買わなかったんだー」ってなりますよね・・・。
 

プリティ:そのベースを「これ絶対買わなきゃ!」って思ったのが、ネックに印字されてる日付が「66/May/5」だったんですよ。「May/5=5/5、gogoじゃん!」ってなって。
 

一同:おおおお~!
 

プリティ:で、買ったんですけど、その後ハートマンヴィンテージの小松崎さん(同店チーフ)に聞いたのが「その5っていうのは日付じゃなくて、モデル型番みたいなもので、プレベが5なんだよ」って教えてもらって。5月5日じゃなかったーって 笑
 

一同笑
 

プリティ:いや全然いいんですけどね 笑
 

― そのプレベはライブでも使っていこうと?
 

プリティ:そうですね。今後はメインになっていくんじゃないかと思ってます。でも、Rickenbackerも買ったからわかんないな~ 笑。スピッツの田村さんから良いジャズベもお借りしてるからそれも使いたいし・・・。
 

真船:いや~良い楽器ばっかり!
 

― 今日持ってきてもらった白いジャズベが前のメインでしたよね?ジャズベからプレベに移ろうかなっていう、そこに思うところはあったんでしょうか?
 

プリティ:レコーディングで良い楽器をお借りして弾いた時に「自信を持てるプレベって自分で持ってないかも」って思って。それで「プレベ欲しいかも」ってポロっと進太郎に言ったら、もうその場でネット検索してるんですよ 笑。それで「こんなの出てますよ、これいいんじゃないですか」って送ってもらった資料を見ながら「これめっちゃいいじゃん!」ってなったのを選んだ感じです。
 

― プレベってシンプルな分選ぶのが本当に難しいから、そういう良い一本と運良く出会えたのは良かったですね。
 

真船:プレベって本当に難しいですよね。製造年代によっても結構違ってて、60年代前半のちょっと重心高めのプクプクした感じの音と、後半の重心が下がってピックでゴリゴリ弾いても気持ちいい音のどちらが好きか、どちらを再現したいかでも変わってくるところとかもありますね。
 

― プレベってシンプルな分、弾きこなすのが難しいって言われるじゃないですか?PU一個でシンプルな作りの分、雑に弾くと雑な音がそのまま出ちゃうというか。去年のレッスンであったり、復帰後の活動の中での経験があって、使いこなせるようになってきたって部分もあるかも知れませんね。
 

プリティ:66年のプレベを買ってから、その弾く位置や強弱とかを意識して練習するのが凄く楽しくなりました。「この曲はちょっとフロントよりで」とか意識して。昔はPUに親指を置いてないと弾けないタイプだったんで、一定のポジションしかない分、一個の音しか出せなかったんです。それが曲の中でも弾く位置を変えることで表情を変えられるようになったというか。
 

真船:操れるようになるとプレベって楽しいですよね。シンプルな分「自分のタッチが重要だな」と。タッチ次第で音色も強弱もコントロール出来るし。
 

プリティ:この前フラワーカンパニーズの配信ライブ見てたら、グレート前川さんがフレーズとかニュアンスによって、曲の中での常にピッキングの位置を変えてて。それで音色も凄く変化がついてるんです。ちょっと感動しました。
 
 
 
 
 

「武道館は『大きなライブハウス』って感覚がするんです。(真船勝博)」

「武道館は、今にして思えば全然ゴール地点では無いし、通過点って思えます。(長谷川プリティ敬祐)」



 
― まさにこの後お話を聞こうかと思っていたんですが、このコロナ禍で配信ライブが増えてますよね。もちろんいつものライブとは違うとは思うんですが、特にベースって音に対しての捉え方がシビアになるなって思っているんです。先ほどのフラカンの話は良い例で、大音量の会場だと臨場感がある分、細かなニュアンスがどうしても伝わりづらいっていうデメリットを、配信ならではのクリアな音質でメリットとして捉えられるという点もありますよね。
 

 
真船:配信ライブはFLOWER FLOWERでも、サポートのライブでも何本かやりました。聴かれる環境がスマホとかタブレットが多くて、そうすると普通のミックスだと、ベースってどうしても聴こえづらくなってしまう。それでもベースが聴こえるようにしようとすると、かなり無茶な音作りにはなっちゃうんですよね。それをそのまま良い音響で聴くと「ベースの音、硬くてデカ過ぎません!?」みたいな 笑。でもスマホとか小さいスピーカーで聴くとちょうど良いと。となるとその前の自分の音作りも、どうするのが正解か、どう落とし前をつけるかっていうのが非常に難しいところですね。
 

― そこは難しい問題ですよね・・・。
 

プリティ:パソコンのスピーカーなんて下(の帯域)全然聴こえませんよね。
 

― バニラズは配信かなり早めにやり始めましたよね?あの時はどうでしたか?
 

プリティ:個人的にはあの時点では音も含めて良かったとは思ってるんですけど・・・。音に関してはラインの感じをもうちょっと薄めつつ、アンプ的な迫力を出したいなと考えると、今後はアンプ/キャビネットシミュレーターを導入するのも手かなと。今後の配信ライブのことを考慮すると。
 

― ライン~イヤモニ化が進みつつも、ベーシストは「いや、俺はキャビ鳴らします!」って人もまだ多いかと思うんですが、いよいよシミュレーター的なものを積極的に導入するきっかけになるのかなと。今後コロナが落ち着いたとしても、その傾向は続くと思うんですよね。
 

プリティ:今度の武道館(2020年11月23日開催)みたいに、有観客プラス配信ってなると、生でその場(会場)で鳴る音と、配信用の音っていうのは分けて考えた方が良いのかなと思うんですよ。
 

真船:そうかもしれないですね。
 

― 武道館のフロアの音をそのまま配信に乗せたら「ブオー!」って轟音しか聴こえないかも 笑
 

真船:雰囲気を伝えるのか、演奏をしっかり伝えるのか、難しいところですよね。
 

― 音の面に関しては難しい部分もあり、皆さん試行錯誤しているのかと思いますが、ファンの皆さんの視点で考えると、現状ライブにあまり行けない中で、配信ライブだったり、今回のバニラズみたいに「武道館やります!中止しません!」っていう意思表示みたいなのって、凄く勇気付けられたと思うんですね。もちろんファンの皆さん、関係者やシーン全体の協力があってのことだとは思いますが。
 

プリティ:そうですね、ありがたいです。
 

― ということで、その武道館の話題に移ろうかと。真船さんは武道館で演奏されたことはありますか?
 

真船:あります。過去数回あるのと、今月末(本取材時は10月上旬)に藤井風君というアーティストのサポートで演奏します。
 

― あぁ!あの天才!
 

真船:ほんと彼はヤバいですよ!
 

― もうほんと、何なん?
 

一同笑
 

真船:「こんな人が遂に出てきてしまった・・・」ってくらい凄いですよ。センターステージでのセットを組むので、360度全開で最大級にお客さんを入れられるので、コロナ対策で席数減らしてもある程度動員が出来るらしんですよ。
 

― おお~。
 

真船:もちろん二部制にして換気はしつつで。武道館って周りに全部扉があるから換気しやすいんですよ。だからコロナ対策にもとても向いているんです。
 

― 武道館ってやっぱり特別感があるのか、皆凄く良いライブを見せてくれますよね。そこに向けてピークを作るというか。先輩として武道館へのアドバイスとかありますか?
 

真船:よく演奏したアーティストたちも言うんですが、「大きなライブハウス」って感覚がするんです。アリーナ会場というよりライブハウス感があって。
 

― ああ、客席の傾斜が強いから。
 

真船:それでステージが囲まれてる感じになるし、距離も意外と近いんです。演奏してると、近くからたくさんの人が見てくれてるっていう感覚が凄くあるから、めちゃくちゃテンション上がるんですよ。丁寧に演奏するっていうより・・・。
 

プリティ:いったれー!って感じ?
 

真船:そうそう。そういう感じになる。
 

― 二階席のお客さんの顔とか意外としっかり見えるらしいですね。
 

プリティ:へぇーっ!!
 

真船:ほんとにお客さんが近い。プリティ君にはもってこいだよ。縦横無尽に動いてお客さんを楽しませることが出来るハコですね。うん、やっぱりライブハウス。バニラズにとって、ホーム的な存在になればいいなと思ってます。
 

― 確かに!バンド的にも「武道館」って絶対似合いますよね。
 

プリティ:僕は大分生まれなんで、昔から行ってたわけじゃないので、実はあんまり回数行ってはいないんですよ。だから会場の規模感として、他のアリーナ会場と比べたことはなくて。単純に「武道館」っていうものに憧れがあって、バンド始めた頃から目標を聞かれると「武道館です!」って答えてました。その頃の自分からすると、やっとゴール地点に辿り着いたなってなるけど、今にして思えば全然ゴール地点では無いし、通過点って思えます。
 

― それは色々積み上げてきた今だからっていうのがあるんでしょうね。もし去年の復活一発目が武道館だったりしたら、もっとただのお祭り感で終わっちゃってたかも。それはそれで熱かったとか思うけど、真船さんとのレッスンも含めて、その後の頑張りがちゃんと消化された上で臨めるというか。
 

プリティ:そういえば僕らがライブする直前に真船さんが同じ会場でやってたってパターン多く無いですか!?
 

真船:この前のブルーノートもそうだったよね 笑。偶然前日で。「あっためておきまーす」と。
 

一同笑
 

プリティ:ZEPP Fukuokaもそうでしたね 笑
 

― プリティ君はFLOWER FLOWERは見たことあるんだっけ?
 

プリティ:いや、ライブはまだです。
 

― めちゃめちゃかっこいいから今度一緒に行きましょう!各個人のプレイヤーとしてのスキルフルな面と、ファンを巻き込むポップな面のミックス具合が本当に素晴らしいバンドですよね。表現は違うけど、バニラズも同様にキャッチーさとマニアックさのミックス具合に近いものは感じます。
 

プリティ:最近メンバー内で話しているのは、単純に「ミュージシャンズ・ミュージシャン」みたいなものだけを目指すのではなくて、ちゃんと大衆性というかマスに刺さる部分っていうのを持っていたいと。そのバランス感を持つことが大切というか。
 

― その客観性を持っている部分がバニラズの大きな魅力に繋がっているんでしょうね。話を戻しますが、武道館、楽しみですね。
 

プリティ:やっぱりまだ状況が状況なので、行きたくても行けないって方もいると思うんですね。でも同時配信も決まったから、是非離れた場所からも観て参加して欲しいです!
 

真船:武道館が本当に似合うバンドだと思います。
 

― キャパ的な部分だけじゃなくて、バンドの雰囲気というか、絵として絶対似合うはずですよね。
 

プリティ:武道館のポスターを作ったんですけど(グッズとして販売)、めっちゃ良いものが出来たんですよ!ビートルズの武道館を観てる子供の僕らのイラストなんです。凄く愛があって。これなんですけど(実物を取り出す)。
 

― おお~!
 

プリティ:最近の若いバンドは武道館に思い入れが無いって人もいると思うんですけど、僕らにとっては特別感があって、ちゃんとそれを表現しておきたいなって思って。規模的なものだけじゃなくて、そこで積み重ねられてきた歴史みたいなものに敬意を表したいというか。
 

― 武道館、本当に楽しみですね!
 
 
 
 
 

「いつまでもメンバーと切磋琢磨しながら、仲良く良い音楽をずっとクリエイトして欲しい。(真船勝博)」



 

 
― せっかくこういう深い親交のあるお二人なので、いつか共演が見たいなと思います。対バンってしたことありましたっけ?
 

プリティ:無いんですよー。
 

― 対バンもそうだし、さっき話した「IKEBEベースの日」とかでも、是非共演が実現するといいですね。
 

真船:是非やりたいですね!
 

プリティ:以前、復帰の時に真船さんがライブ来て頂いた時もそうだったんですが「緊張する・・・」っていう萎縮しちゃうような感覚もあったんです。でも、この前のレコーディングでもテックとして参加して頂いて、凄く楽しかったし、気持ち的に凄く楽な気持ちで演奏できたんです。精神安定剤のような。
 

真船:あははは 笑
 

― それってプリティ君が成長したからでしょう。以前のままだったら緊張したままで終わってただろうし。
 

プリティ:それもあるかもだけど、真船さんの人間力が大きいです。
 

真船:いやいやいや。
 

プリティ:ウチのメンバーも「あのレコーディングのプリティは楽しそうだった」って言うんです。
 

― 素晴らしい関係性ですね。
 

プリティ:そういう気持ちも含めて・・・対バンしたいっす!笑
 

真船:こちらこそ!是非対バンしましょう!
 

― 対バンってある意味立場が並ばないと出来ないと思うんです。先輩後輩とかはありつつも、ただの憧れとかファンだけでは思い出作りになってしまう。プリティ君も、ただのレッスン生ではなくて、自分のバンド、演奏に自信を持ててるっていうのが大きいんじゃないかと思います。
 

プリティ:対バンする機会があったら、僕らがまず演奏して「プリティ君、あの曲の演奏良くなかったよ」とか指摘して欲しいですね 笑
 

真船:ダメ出し 笑
 

― 実現したら是非お邪魔したいと思います!最後に今後のお互いの活動へのエールを頂ければ。
 

プリティ:今後、どんどん新しい曲を作っていく中で、フレーズや演奏で悩むことも出てくると思うので・・・真船さん、また教えてください!!
 

一同笑
 

真船:喜んで!去年の復帰ライブを見させてもらって、めちゃくちゃ良いバンドだなと思ったんですよ。バニラズみたいなバンド感を見せられると、同じバンドマンとして悔しいって気持ちにもなるくらい、憧れを感じるんです。だから、いつまでもメンバーと切磋琢磨しながら、仲良く良い音楽をずっとクリエイトして欲しいなって思います。それが僕からプリティ君へのエールです。
 

プリティ:ありがとうございます・・・・!
 

真船:本当に良いバンドだなって思うんです。リハビリ中も他のメンバーが、ちゃんとプリティ君が帰ってくる場所も用意してたし、帰ってきた時も「おかえり」ってしっかり受け入れてて。あの復帰ライブの時の楽屋裏の雰囲気とか泣きそうになりましたよ。
 


 
― そうでしたね。暖かい雰囲気で。
 

真船:「バンドっていいな~」って思いました。
 

― 本当に「バンド」ですよね。ミュージシャンである前に「バンド」なんだなと。バニラズは。
 

真船:単純に仲が良くて。人間性も良いし、音楽も良いっていう。
 

― それは側から見てても感じますね。とりあえずみんな性格良い。
 

一同笑
 

真船:それは一緒にやってく上で重要ですからね。レコーディングに立ち会って尚更それを実感しました。純粋な音楽好きでもあるし、幼馴染的な仲間でもあり・・・。
 

プリティ:牧は中学から一緒なんです。
 

真船:そういう友達の延長線上で、いろんなことを乗り越えつつ、こういう充実した活動が出来てるっていうのは羨ましいし、奇跡ですよね。その先には更に輝かしい未来があるだろうから。ぜひ武道館の成功を祈ってます。
 

プリティ:本当にありがとうございます!!
 

― 本日はありがとうございました!
 

 


真船勝博(FLOWER FLOWER)
 
2月1日大阪生まれ。高校1年の春、エレキギター等に全く見向きもせずエレキベースを始める。

大学入学後JAZZ研に入部しウッドベースも始める。在学中はジャズだけでなくファンクやソウル・フュージョン・ポップス等のバンドを多々掛け持ちしつつ、2000年より「EGO-WRAPPIN’」のサポートを始める。

現在は「EGO-WRAPPIN’ AND THE GOSSIP OF JAXX」、yui 率いる「FLOWER FLOWER」、トリオ編成のポエトリージャズロックバンド「F.I.B JOURNAL」の活動を中心に、様々なアーティストのライブやレコーディングに参加している。

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長谷川プリティ敬祐(go!go!vanillas)
 
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2020年11月18日(水)リリース
「鏡 e.p.」
●完全限定生産盤(CD+DVD)VIZL-1805 ¥2,020 + 税 ※7inchサイズ・スペシャルパッケージ仕様
●通常盤(CD)VICL-37565 ¥1,300 + 税

【CD収録内容(完全限定生産盤・通常盤共通)】
1. 鏡 ※TBS「王様のブランチ」11月度エンディングテーマ
2. バームクーヘン
3. イノセンス
4. JETT ROCK SCHOOL

【完全限定生産盤付属DVD収録内容】
2020/9/26に行われた「go!go!vanillas special live “MAKE UP CITY” at Blue Note Tokyo」から表題曲「鏡」に加え、未配信楽曲を含む当日の公演と、ドキュメンタリー映像を60分超収録!

<ROAD TO AMAZING BUDOKAN TOUR 2020 -FINAL->
配信開始日時:11月23日(月・祝) 17:00
配信会場:日本武道館
視聴チケット:¥3,000
購入期間:11月1日(日)12:00~11月29日(日)21:00
販売URL:https://eplus.jp/gogovanillas/st/

<ROAD TO AMAZING BUDOKAN TOUR 2020>
11月7日(土) 愛知県芸術劇場 大ホール
11月13日(金) 福岡サンパレス ホテル&ホール
11月15日(日) 神戸国際会館
11月23日(月・祝) 日本武道館

 

 


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