第26回「TREMOLO TONE SPRINGS(TYPE1)」
みなさんこんにちは
今回ご紹介させて頂くパーツはESP Custom Labより販売されている
「TREMOLO TONE SPRINGS(TYPE1)」です。
こちらは一般的な物と比べ柔らかくしなやかな
トレモロスプリングとなっており基本的に4~5本掛けで使用し、
本数を増やす事でのチューニングの安定性を得る事や
音色へのアプローチが目的の商品で、
ススメ!第21回にてご紹介させて頂きました
「RawVintage TremoloSprings」と近い商品になります。
TYPE1とTYPE2の二種類がラインナップされており、
TYPE2は1に比べハイミッドへの音域へのアプローチを
より意識したモデルとなっております。
今回はRawVintageと比べつつご紹介させて頂きたいので、
より違いが大きそうな(理由は後述)TYPE1を試してみたいと思います。
上RawVintage
下ESP TREMOLO TONE SPRINGS TYPE1(以下TTS TYPE1)
数値上の違いとしてはRawVintageと比べTTS TYPE1の方が
使われている線の径もスプリングの外径も細くなっています。
RawVintageが
線径 約1.35mm
スプリング外径 約8.8mm に対し、
TTS TYPE1は
線径 約1.2mm
スプリング外径 約8.2mmとなっていました。
※採寸箇所により若干の誤差があります
また、スプリング部の長さは若干TTS TYPE1の方が長いようです。
TYPE2は採寸できておりませんが、
線径・スプリング外径共にTYPE1より太くなっているモデルで
形としてはRawVintage寄りな数値のようでしたので、
より違いが楽しめるだろうと目論み今回はTYPE1を試してみたいと思います。
第21回RawVintageの時と同様に、
5本掛けで、開放G弦にて1音アップのフローティング状態で調整しました。(弦は10-46を使用)
まず音を出してみて第一に感じたのは、低音側が太くはっきりと前に出てきた事と
全体的な音量感・分離感の向上という点をRawVinatageの時と同様に感じる事が出来ました。
元々の状態だと特にフロントPU使用時は各弦の音が団子状態で
聞き取り辛くこもりがちでしたが、しっかりと各弦の音が聞き取れるようになり
ストラトのフロントPUの「おいしい」所を存分に楽しめるサウンドになりました。
RawVintageと比べ異なる点を感じたのはスプリングリバーブ・残響感についてです。
RawVintageの場合は生音・アンプでの出音共にスプリングの響きや残響は強めでしたが、
TTS TYPE1の場合は通常のスプリングと比べると残響感は強くなっているものの、
主張しすぎずにしっとりと響いてくれます。
その影響もあるのか全体的な音色としてもRawVintageのワイルドでエッジ感のある音色に比べ、
暴れすぎずバランスの良い音作りがし易い音色となっているように感じました。
また、アーミングのトルク感についても違いがあるように感じました。
RawVintageでは通常のスプリングの状態と比べかなり柔らかいアーミングのトルク感で、
特に4本掛けの使用時は非常に柔らかいトルク感であったのに対し、
TTS TYPE1では通常の物よりも若干の柔らかさはありますが、
4本掛け・5本掛け共に独特のトルク感があり通常のスプリングと
さほど変わらない感覚でアーミング出来るように感じました。
トルク感は同程度でありつつも動き自体はなめらかで気持ち良く使えます。
4本掛け時の音色については5本掛けと比べ低域がスッキリする事で、
ややハイよりな方向にシフトした音色でシャープな印象になりました。
この5本掛け→4本掛けの変化もRawVintageと近い動きだと思います。
近いアプローチの二つのパーツでしたが、使用感や音色は大きく異なりました。
搭載する楽器や状態によっても効果は様々だと思いますが、
参考になれば幸いです。
大久保