WSRより”もっと”愛を込めて #86「自分で出来るバリ取り②」
皆さんこんにちは。
今回はバリ取りの実践編です。
実際のところ、フレットのバリが出ている楽器が
見当たらなかったので、リフレットの楽器をサンプルに
お話を進めていくことをご了承下さい。
①マスキング
指板サイド・指板面にマスキングテープを貼ります。
必ず貼らなくてはいけないという訳ではないのですが、
万が一、手が滑ってフレットトップや指板を削ってしまうという
不慮の事故から被害を最小限に抑えるために貼っておくと良いですね。
また、後述しますが、目立てヤスリを持つ人差し指や中指は
指版面を滑らすガイドになるので、貼ってあった方が
指に当たる指板とフレットの凹凸が緩和されて良い感じになります。
②目立てヤスリの握り方
写真の様に親指を目立てヤスリの面に沿わせて、
握り込むといった感じでしょうか・・・。
実際にバリを取っていく際には親指の下の面で
削っていくというイメージです。
裏から見ると、こんな感じで人差し指・中指・薬指を
揃えてしっかりと握り込んでいます。
目立てヤスリが手の中でブレないでしっかりと「固定」
されているということが非常に重要になります。
これがしっかりと出来ないと、フレットを削る際に
切削面が歪んでしまったり、ヤスリがフレットサイドから
外れてしまって、思わぬ事故を引き起こす可能性があります。
③削る
目立てヤスリをしっかりと握ったら、
いよいよフレットを削っていきますが、
気にしなくてはいけないのはヤスリを当てる角度でしょうか?
フレットのクラウンの部分とタングの部分では当然、
当てる角度が変わってくるので、
最初にクラウン、次にタングというように段階を経て
行うのが良いと思います。
角度を合わせて目立てを握り込み、
写真の様に人差し指と中指を指板に当てて、
イメージとしては削るというよりもあてがった指を
指板の上を真っ直ぐ滑らすというイメージで削っていきます。
このときに重要なのは全ての指はもちろん、
手首までしっかりと固定することでしょうか?
動かしているのは「手」ではなく、「腕」のみです。
基本的に力はほとんどいらないですよ・・・。
そして、写真の場合は最終フレットから1フレットまで
一気に削るということです。
そうしないと、全てのフレットで均一な角度にならないんですよね。
④研磨
目立てで削っただけのフレットは写真の様に傷が目立つのと、
触ってみるとザラザラするので、
パットに耐水ペーパーを巻きつけて、
同様に最終フレットから1フレットまで均一に研磨すると、
こんな感じに傷が消えます。
この状態でネックを握ったり、スライトさせてみて、痛くなけれ我々の場合、
バフをかけてフレットをピカピカにして仕上げますが、
ご家庭の場合は金属磨きクロスを使って磨いてあげると、
結構な光沢が出てくれてよいと思います。
もし、ココまでやってまだ「痛い」という場合は
フレットサイドの処理をやり直さなければならないので、
また「来月」ですね・・・。
額田