リプレイスメントパーツのススメ!第66回「Schaller S-Locks」
みなさんこんにちは!
今回ご紹介させて頂くのは、
Schallerよりラインナップされている
人気・定番ロックピンの「Security Lock」の
進化系として今年3月より国内で流通が始まった
「S-Locks」です。
以前からロックピンについての記事やコラムを
いくつか公開しており、
その中のコラムで各タイプのロックピンの
メリット・デメリットについて触れましたが、
「金属のパーツ同士で接合する物が多い為、
動いた際にパーツ同士がぶつかったり擦れる音が、
楽器の構造によってはピックアップが拾ってしまう事があります。」
と書かせて頂きました。
オフィシャルによるとS-Locksの[S]は
Schaller・Save・Silentの意味を込めているそうで、
私は前述の音が出る、という点が気になり
正直な所ロックピンがあまり好きでなかった為、
情報が公開された時から個人的にも期待していました。
「Security Lock」についてのコラムも拝見して頂けると
比較・進化が分かり易いと思いますので
そちらも御一読頂ければ幸いです。
パッケージはこの様な感じで、
なかなかお洒落で高級感があり好感触です。
こういった所が格好良いと、
より物欲を満たしてくれてパーツ交換・改造の
楽しさや喜びが増すのは私だけでは無いと思います…
部品は4点、塗装・楽器本体保護のクッションを除くと
わずか3点で構成されています。
ピン部分はRickenbackerのようなビス一体型タイプとなっており、
硬質な素材・寸法を採用し非常に強固です。
従来の様にプラスドライバーではなく
6角レンチ(3mm)に対応した構造となっています。
ストラップロックユニット側では、
ピン側と噛み合わさりロックされる部分は
こちらも非常に硬質な材質となり、
形状も磨耗が少ない物へと改良されています。
また、ストラップを取り付けるシャフト部分の長さが
SecurityLockと比べ増していることで、
ストラップの材質や状態にもよると思いますが
6mm前後までの厚みに対応可能となっています。
先端部形状も変わり、つまみ易くなっていると感じました。
ストラップを挟み込む為のナット部分は
従来のワッシャー+六角ナットから、
ホイール型のナット単体となっています。
緩み辛い特殊なネジ切りと、
最終的に横からもイモネジで固定が可能で、
非常にしっかりと固定され緩みにくい
構造になっております。
横からレンチ等の固い棒状の物を差込んで回し
締め込む機構となっており、
ホイール形状により指で回すことも容易です。
ビスとピンが一体になっている
ピン本体側もそうですが、
専用工具無しでも指である程度の固定が
出来るのはありがたい機構だと思います。
もちろん、下穴やパーツ自体に損傷が
無い事が前提ではありますが、
緊急時もある程度の対応が可能な事はメリットです。
、
前述のシャフトが長くなった事も合わさり、
脱落・紛失してしまうまでナットが
緩んだ事に気づかずにうっかり使用し続けてしまった、
という事態の可能性は限りなく低いでしょう。
組み合わせて本体に取り付けてみると
この様な感じです。
非常に遊びが少なくガッチリとしていながら、
取付・取外しは大変滑らかで、
各パーツが非常に高精度で作られている事が
感触として伝わってきます。
そしてその高精度な作りと、
工夫を凝らした各機構や低部品数により、
期待していた通り実に「Silent」な使用感です。
取り付けた楽器の構造やストラップのセッティング、
演奏スタイルにもよると思いますが、
わざと音が出るように動かしてみても
必要最低限の遊びの部分の触れ合う音が
僅かにする程度で、
基本的に普通に使っていれば気になる事は
まず無いと感じられました。
かつ、新品という要因もあると思いますが、
摩擦感やカクカクとした感触が無く、
動きが非常に滑らかな点も嬉しい点です。
高耐久との事でこれが持続してくれると良いですね。
[S]の意味に「Smooth」も加えて良いと思います。
時代を経ながら素材や製造技術の
品質が向上してきた事や、
プレーヤーからの要望を研究していった結果
生まれた素晴らしいロックピンだと思います。
硬耐久・ローノイズのロックピンをお探しの方は
是非ご検討下さい。
大久保