WSRより“もっと”愛を込めて 第18回 「フレット考察その3」

皆さんこんにちは!大変ご無沙汰をしておりました!WSR額田です。

さて、この度WSRのホームページをリニューアルいたしました!
今まで、リペアや数々行ってきた改造の写真を公開することはあまり行ってきませんでしたが、
今後は「ブログ」ページにて私たちの仕事の最新情報を随時公開していく予定ですので、お楽しみに!

また、このコラムを書くのは約4年ぶりとなってしまいましたが、これを機に完全復活!させますので、
引き続きのご愛顧をよろしくお願いします!!

今回はフレットのボールエッジ処理についてお話したいと思います。

2 ボールエッジ処理されたフレットサイド

私が初めてこの処理の施されている楽器を見たのはもう15年以上前のことでしょうか?
当時、池部楽器の店頭ではまだ珍しかったSadowskyやJames Tyler、Don Grosh等には
日本製のギターとは全く違うフレット処理が施されていて、何故こういう処理が必要なんだろう?
という疑問とともに、どうやって処理しているんだろう?と思っていたりもしました。

しかし、その必然性を理解するのにはあまり多くの時間がかからなかったような気がします。

’90年代初頭と言えば、ジムダンロップでいえば#6000や#6100といったいわゆるジャンボフレットが全盛の時代。
リフレットする際にはストックのものよりも大きいフレットにするというのが普通と言う感じでしたね。
しかし、高さあるフレットを打つとフィンガリングやチョーキングはスムーズに行えるようになるのですが、
ハイフレット側で弦落ちをしやすくなってしまうというデメリットが出てきてしまっていました。

・・・というのも従来のフレット処理の仕方だと、指板サイドからフレットサイドを斜めにカットしていく関係上、
フレットの高さが高くなればなるほど実際の指板の幅よりも押弦出来るフレットの頂点の幅が狭くなっていってしまうんですよね。(図1)

181_4 (図1)

今度は弦落ちをしないようにフレットサイドを可能な限り立ててカットして、従来のやり方でサイドを処理してみると・・・。
どうにも指の腹に引っかかる感じがするんですよ。念入りにフレットトップ付近を丸めてみても引っかかるし、痛いんですよ。

どうやら、ある程度フレットサイドを立ててカットした場合、フレットサイドの処理が痛いと感じるのは
フレットトップ付近というよりは側面や底面に近い所の処理にあるようで、ここを丸めることが出来ないことには
問題は解決しないという結論に達しました。(図2)

182_3 (図2)

従来のフレットファイル(フレットの形を整える工具)(写真1)だとその形状上、指板に接しているフレットの底面に近い所を
球体に近いところまで削っていくのは困難ですし、指板を傷つけてしまう可能性があります。

何か良い工具は無いものかと思って「Stewart Mcdonald」のカタログ(当時はWebではないんですよ!)をめくっていたところ、
あるではありませんか!素晴らしい工具が!その名も「Quarter-round Fret File」!(写真2)
これを使えば、フレットの底面に近いところを削れる!ということで、早速入手しました。

181_5 (写真1)「Offset Diamond Fret File」通常はこれを使っています。

182_4 (写真2)「Quarter-round Fret File」

では、どのようにしてボールエッジ処理はなされているか・・・というのは次回をお楽しみに。