WSRより”もっと”愛を込めて 第32回「Addy Zig Zag iZm①」

もう3月になってしまいましたが、あけましておめでとうございます(苦笑)。

ブログ形式のコラムになってから、毎月の更新を続けてまいりましたが、
昨年末辺りから尋常でない本数の修理のご依頼を頂き、首が回らない状態が続いておりましたので、
勝手ながら、3ヶ月ほどコラムの方をお休みさせていただきました・・・。。

さて、今月は「ポット考察」の続きを変更して、
先日、代官山UNITで行われました「Addy ONE MAN LIVE Zig Zag iZm」から
機材のレポートをお送りします。

Addyというバンドはお聞きになった事がない・・・。という方も多いと思いますが、
ミュージシャン・映像作家・プログラマーなどのクリエイター集団からなる総勢12名編成のユニットで、
2010年1月よりライヴ活動開始をしているんですよ。

現在までに2枚のミニアルバムをリリースしており、
今回は新譜である「ZIG ZAG」の発売記念ライブのリハーサルにお邪魔しました。

今回はAddyのリーダーであり、このバンドの作曲・各パートのアレンジまでも一人でこなしている
ギターのTadahiro編です。

Img_1235 PUを見ると、使い込み具合が良く分かります・・・。

メインで使用しているのはTom Anderson DROP TOP。

一概にDROP TOPといっても年代ごとに少しずつ仕様が異なり、
各種オプションの選択によって、多彩なバリエーションのものが存在します。

Tadahiro氏の所有しているの90年製のメイプルトップ・アルダーバックのものです。
本人曰く「みかん色」と呼んでいるこのカラーですが、劣化と経年変化がかなり激しく、
Tom Andersonの多彩なカラーバリエーションもあって、正式には何というカラーなのかは分かりません・・・。

現在まで12年間、使い込まれてきただけあって、私が手にした時にはものすごい状態でした・・・。
放置されていたのではなく、使い込まれてココまで・・・というのはなかなかスゴイです(笑)。

現在までの主な修理箇所は以下の通り。

・ヘッド

ヘッドが割り箸の様に裂け、自分で木工用ボンドを使って圧着したらしい・・・。
現在では周りの劣化もあるので、あんまり分からないですけどね(笑)。

・ペグ

当時のDROP TOPに標準装備されていたGrover製のロックペグが付いていたが、
(現行のものではなく、シャフト上部をマイナスドライバーで締め付けるタイプ)
破損のため、通常のGrover 205Gに交換。
実際に古いタイプのロックペグならば、通常のペグの方が使いやすいかもしれませんね・・・。

・ナット

ストックのものはミカータですが、磨耗のため「牛骨OIL」に変更。
いわゆる、「樹脂系」よりも「骨系」の方がサウンドはブライトでハーモニックな感じがして、
個人的には好きです。

・フレット

驚異的に減っていたので、すり合わせを施していますが、
もう限界に近いですね・・・。ほぼ、フレットレスワンダーといってもいいのではないでしょうか(笑)?

・コントロール

PUはフロントからSA-1R・SA-1・H2+という組み合わせ。
スイッチュルーシステムによって、各PUのシリーズ/OFF/パラレルorタップの多彩なバリエーションが選択が出来、
リアハムバッカーのダイレクトONが可能な実戦向きなものとなっていますが、
これらのSW類は全て交換。

本人曰く、クリーン単音アルペジオ時は
SA-1R(フロント)とH2+(リア)で鳴らしているとの事で、
ライブでのボリュームをいじらなくても心地よく、
透き通るようなクリーン感はこの辺のスイッチングが肝なんですね・・・。

コードストローク時はALLフロントでのサウンドにこだわりがあり、
この辺がAddyのサウンドとなっているらしいです。

・サドル

ブリッジ本体はGOTOH製のストックのものですが、
サドルは本体及びオクターブビスの酸化により、
GOTOH製S199というSTEELのものに交換。

Img_1253 deep bowlの深いサウンドです。

今回のステージでは「Secrecy…」の時に使用したOvation 1619 Custom Legend。
’70年代後半のギターですが、非常に状態が良く保たれています。
残念ながら、2連のノブは割れてしまったので、金属製のものに交換されています。

Img_1255 セッティングもバッチリ写ってます(笑)。

使用アンプはSoldano SLO-100&Marshall 1960の組み合わせで、現在までに8年間使用中。

SLO-100は2チャンネルでクリーン時はクランチCHを使用し、VolumeとGainの対比は9:1。
本人は、ビンッ!と張りつめた感じがたまらないとの事。

Img_1254 これのみのエフェクト・・・。

エフェクター類は至ってシンプルで、TC ElectronicのG-Forceのみ。
基本的に歪みはアンプの歪みなので、主にチューナーとディレイ・リバーブの空間系のみの使用となっています。

Img_1228 現行のものとはちょっと違いますね・・・。

足元にはアンプのチャンネル切り替えSWとG-FORCEのエフェクト切り替え用のRocktron MIDI MATE。


・・・私がこの仕事を始めて20年以上経ちますが、今でもお客様の「現場」にはよく顔を出します。
実際にプレイヤーが活動しているライブハウスやスタジオの現場を知る事はとても重要なんですよね・・・。

同じ楽器や機材でも、その使い方やスタイルが全く違う・・・。
よって、私たちもアプローチを変えてそのスタイルに合った技術を提供しなくてはならない・・・。

まさに日々精進なわけです。

来月は「Addy Zig Zag iZm②」ベースのTsuyosi編です。