リプレイスメントパーツのススメ!第20回「Tone Shift Bass Bridge Ver.2.0」
みなさんこんにちは
このコラム「リプレイスメントパーツのススメ!」が今回で第20回となりました。
バンジョーのコラムや番外編等も含めるともう少し回数がありますね。
私、大久保が書かせて頂いているのは実は第10回のコラムからなのですが、
これからも毎月15日の更新で様々なパーツ等を紹介させて頂きたいと思っておりますので、
今後とも宜しくお願いします。
さて、記念すべき第20回で紹介させて頂くパーツですが、
コチラの「Tone Shift Bass Bridge Ver.2.0」です。
第5回のコラムと同じくFreedom Custom Guitar Researchの商品です。
今回のコラムの為にわざわざサンプルを貸し出して頂きました、ありがとうございます!
Freedomさんには塗装修理を依頼させて頂く事もあり、日頃からお世話になっております。
Freedom Custom Guitar Researchオフィシャル商品ページ
このブリッジはオフィシャルHPにも掲載されているように、
ベースの「音色」へのアプローチを主体としたパーツです。
ブリッジの材質や重量、形状等を変更する事でサウンドへの変化を狙っているわけですね。
いわゆるフェンダータイプのブリッジから無加工で交換出来る作りになっており、
取付けビス間隔が17.5mm×4、弦間ピッチもフェンダーのヴィンテージスパイラルサドルと
同等になる様、特殊なピッチのサドルを採用しております。
※19mmピッチやスパイラルサドルタイプ等もオプションであります。
また、ブリッジ底面のボディと触れ合う部分がフェンダータイプのブリッジと
同じサイズ・形状になっているので、後々取り外しても広いブリッジを取り付けた時にありがちな
取付け痕が残らないのも嬉しいところです。
ちなみにこのブリッジはバージョン2という事で、残念ながら前身のモデルは試した事がないのですが、
重量が230gから273gへ変更されている等、細かい調整が成されたようです。
作りも非常に堅牢かつ精巧で、メッキの厚みまで計算されつくしたタイトなサイズ感です。
それでいてオクターブや弦高の調整ネジは非常にスムーズに動きます。
スペックとしては重く、面積の広いブリッジという事でジャズベース等の交換用ブリッジとして定番の、
硬質な音になりサスティーンを向上させる「Badass Bass Ⅱ」と近い様に感じるモデルですが、
どのような変化があるのでしょうか、早速取り付けてみましょう。
前述の通り無加工での取付けが可能です。
溝切りが必要なブリッジ等と比べると非常にお手軽に交換出来ますね。
数多くの種類のパーツが流通する現在、プレイヤーの数だけ選択肢も無限に存在します。
いかに情報が溢れている時代とはいえ、実際に自身の楽器に取り付けて試してみないと
自分にとって良いものかどうかというのは正確に判断する事は出来ません。
そんな中で、「取付け・取外しが容易かつ元に戻せる」パーツであるという事は、
それだけで非常に優れた物であると私は思うのです。
取り付けた外観はこのような感じです。
実際に弾いてみての感想としては、真っ先に感じたのはレスポンスの速さです。
弾いた瞬間の音の立ち上がりが交換前と比べ速くなり、ミュートして音を止める時も自身のタイム感で
バシッと止まってくれ、演奏していてとても気持ち良いです。
サスティーンも非常に伸びがあり、和音でのゆったりとしたテンポのフレーズでも各弦が
バランスの良い音量感で残ってくれているように感じました。
接地面積が通常のブリッジと同じなのでそこまで劇的な変化は無いかと思いましたが、
Badass等の接地面積が広いブリッジと比べても遜色の無いサスティーンが今回の取付けでは感じられました。
また、重たいブリッジの場合コンプレッション感が強くなる傾向がありますが、
このブリッジについては程良い音の粒の揃い具合で扱い易くもありつつ、
ピッキングのニュアンスをしっかりと拾ってくれプレイヤーの意思が伝わりやすいブリッジだと思います。
サウンドとしては音像がハッキリと聞こえるようになりましたが、
「トレブリーかつ硬質なサウンドになる事で音の輪郭がしっかりする」といった音色による変化ではなく、
しっかりと芯の通った音になる事での音像がクリアに聴こえるようになっているように感じました。
音色自体は真鍮特有の温かみも感じられる音で、Fenderらしさも残した非常に使いやすいサウンドだと思います。
ブリッジ底面がFenderブリッジと同じ形状であるというという事も影響しているように思います。
それに加え、Badassのサドルは公式な資料はありませんが、現行品にはかなり固い材質の物が
用いられているので、そういった点でも音色の違いが出ているのだと思います。
偶然Badassのブリッジプレートがあったので並べて比べてみました。
弦の張り始めがBadassはやや後ろなので、ネックの差し角を調整しない場合はBadassの方が
サドルに弦が掛かる角度が浅く、若干テンション感は柔らかくなりそうですね。
形状や重量等から、いわゆるBadass的な(語弊があるかもしれませんが…)ハードでトレブリーな変化を
イメージしておりましたが、しっかりと他のブリッジとの差別化が感じられる良いパーツだと思いました。
私の主観や抽象的な表現が多く、伝わり辛い点もあったかと思いますが参考になれば幸いです。
今回Badassとの比較が多かったので、近いうちにBadassの紹介もしようと思います!
それでは、今後とも当ブログ&コラムを宜しくお願いします。